慢性的な担い手不足が続いている農業界ですが、AIなど最新技術を持ち込むことで劇的に作業効率を改善し大成功を納める若者の影響もあり、いま農業に注目が集まっています。
しかし、農業で起業することは少し特殊であり、事前に把握して対策を打っておいた方が良いこともあります。
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完全無料！脱サラして農業で起業したい人が絶対に知っておくべき知識
それではさっそく脱サラして農業で起業したい人が絶対に知っておくべき知識をご紹介したいと思います。
仮に農業で年収1000万円を稼げても所得は400万円程度
ほとんどの野菜には旬と呼ばれるものがあり、栽培の時期が温度や日長時間によって制限されてしまいます。
そのため、旬でない農作物はどうしても供給量が落ちてしまうのですが、消費者の需要は一定してありますから価格は高騰します。
そこで、施設栽培(ビニールハウス)で周年栽培をして継続的に出荷し続けることができれば、生産量にもよりますが年に1000万円程度稼ぐことは実はそれほど難しくなかったりします。
しかし、その反面、ハウスの設置費用、冬期の光熱費、種子・種苗代、水道代、農薬肥料費、出荷のための包装費用などの「生産コスト」が掛かります。
年間の売上からこれらの費用を差し引くと、手元に残るのは300〜400万円ほどになってしまいますから、思っているよりも儲からない場合があります。
初期費用が掛かる
農作物を作るための農耕地はもちろん、農具やトラクター・ラッピングなどの機械類、その他必要なものを揃えていくとそれなりの費用が掛かります。
初期費用の平均は500〜600万円と言われていますが、ハウス栽培をする場合はビニールハウスの設営だけでなく暖房設備なども必要になる場合があり、800〜1000万円程度とまとまった資金を用意しなければなりません。
他の業界で起業するよりも難しい
よく農業で起業するのは、他の業種で起業して成功するよりも難しいと言われます。
農業に対して体を動かせば儲かる仕事というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際はかなり頭を使います。
たとえば、農作物に悪影響を与える複数の要因の中から原因を突き止め、その原因に対して有効な対策を講じる必要があるのですが、そのためには農作物などから直接得られるフィードバックをもとに、対策を考える論理的思考力が必要不可欠であり、体も頭もフル稼働させなければなりません。
また、生産量や農作物の質を安定させるまでには3〜5年は掛かると言われており、それまでの間はほとんど無収入でも耐えられるようにしておくことが望ましいなど、成功するためには他の業界よりも粘り強く取り組む姿勢が求められます。
農業は難しい、だからこそチャンスでもある。
これまでの内容を総合すると、農業は辞めた方が良いと思ったかもしれません。
しかし、逆に言えばチャンスでもあります。
まず、農業では慢性的に人手不足であり、高齢化も進んでいます。
そのため放置されている農耕地も多く、まだ使える事業設備もそのまま残っていたりします。
それらの事業設備や顧客といった経営資源を引き継ぐ形で事業を始めれば、自己資金を抑えつつ、ある程度ビジネスの基盤が整った状態で事業をスタートさせることも可能なのです。
また、食文化が多様化する中で、ヴィーガンやベジタリアンなどの選択的に野菜を摂取する人々のニーズもあります。
難しいからこそチャンスだと捉えるか、リスクの方が大きいと捉えるかは人それぞれだと思いますが、やってみないと分からない部分も多いです。
迷っているならば、アルバイトとして働いてみたり、事情を話して体験させてもらうなどして、小さく試してみるところから始めてみてはいかかがでしょうか。
まとめ
今回は「脱サラして農業で起業したい人が絶対に知っておくべき知識」についてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
農業は天候や病害虫など外部環境の影響を直に受けますし、肉体労働に加えて頭もフル稼働させなければなりませんから、思っているよりもハードな業界です。
また、農作物の質や生産量を安定させるまでには3年以上掛かるとも言われ、一筋縄ではいかないかもしれません。
しかし、成功が難しい分、挑戦のしがいがあると捉えることもできますし、担い手不足が慢性化するなかでまだ利用できる農耕地や生産設備は探せばいくらでも見つかります。
既存の事業を「継業」する形で、今あるものを有効活用すると費用を抑えながら事業をスタートすることも可能ですよ。
