学生や若くして起業する方や主婦起業なども増えている昨今。
卒業後に起業したい、または脱サラして起業したいと志していて色々と事業内容を考えている方も多くいらっしゃると思います。
インターネットが普及し新たなサービスが続々と登場する中、ビジネスモデルは数えきれないほどありますね。
その中でも1980年代ごろから定着し始めた「人材派遣」は、現在も需要が高まり続けているため、人材派遣業で起業しようと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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人材派遣業とは
人材派遣業とは読んで字の如く「人材」を「派遣」する事業です。
人材派遣会社が人材を雇用し、人材を必要している企業に提供するという形で成り立っています。
現在日本には8万社を超える派遣会社があると言われており、派遣社員の数は130万人を超えている、かなり大きなビジネス市場です。
人材派遣業を行うには、社内に「派遣元責任者」が1人以上必要となります。
そこまで難しい資格ではなく、全国の主要都市で定期的に行われている「派遣元責任者講習」を受講するだけで資格を取得することができます。
派遣社員と正社員・パートと最も大きな違いは「雇用契約を結ぶ会社」と「実際に働く会社」が違うという点です。
正社員やパートは「雇用契約を結ぶ会社」で働き、同じ会社から給料が支払われます。
派遣社員は「派遣会社」と雇用契約を結び「派遣先企業」で働くため、業務の指示などは「派遣先企業」から受けますが、給与は「派遣会社」が支払います。
また、よく混同されてしまう事業の一つに有料職業紹介事業があります。
人材派遣業が派遣会社で雇用されている人を派遣先企業に派遣するのに対して、有料職業紹介事業は事業者は人材を紹介することだけにとどまり、紹介を受けた会社が雇用契約を結ぶという大きな違いがありますのでこちらも押さえておきましょう。
派遣は「特定派遣」「一般派遣」「紹介予定派遣」の主に3つに分けられ、法律によって厳しく規定されているのでその派遣の種類についてもしっかりと知っておきましょう。
特定派遣
特定派遣とは派遣会社の正社員として雇用契約を結んだ後、労働力を必要とする派遣先に派遣され派遣社員として従事するという形の派遣です。
一般派遣(登録型派遣)
一般派遣は派遣会社に派遣労働者として登録し技能や条件に合った仕事の紹介をするのが特徴です。
特定派遣と異なり、高いスキルを必要とするものからほとんどスキルを必要としないものまであらゆる業種の仕事に対応しているのが特徴です。
業界業種に関わらず労働力を必要とするところに必要な労働力を派遣するためのシステムです。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは派遣期間終了後に派遣先の企業と直接雇用を結ぶことを前提にした派遣のことです。
派遣期間を試用期間と捉え、企業はこの試用期間を通して派遣社員を雇用するかどうかを判断します。
人材派遣業の起業資金はいくら必要?
人材派遣事業を始めるにあたって大きな壁となりえるのが起業資金です。
人材派遣業を行う会社には、派遣先企業への安定した派遣社員の派遣と、派遣社員への安定した給与の支払いができるよう、一定の財産基準が設けられています。
労働者派遣事業許可の取得に際しての資産要件は「基準資産額が2,000万円以上」「資産のうち1500万円以上が現金・預金」「(資産ー負債)=負債の1/7以上」というすべての要件をクリアする必要があります。
まずこの資産要件がなかなかハードルが高いので、すでに他の会社も経営していて資金力がある、資金調達の目処が立っているなどでない限りかなりの関門でしょう。
以下に人材派遣業の主な起業資金をまとめましたのでご覧ください。
1.資本金
2000万円以上
2.定款を認証する費用
定款認証手数料:5万円
定款に貼る印紙代:4万円
定款の謄本:約2,000円
合計でおよそ10万円程度
3.登記費用
登録免許税:15万円~
登記事項証明書の発行手数料:600円/1通
印鑑証明書の発行手数料:約450円/1通
登録免許税は資本金額×0.7%で算出します。
4.派遣業の許可費用
許可手数料:12万円
登録免許税:9万円
事業所が1ヶ所の場合の合計は21万円となります。
上位以外にも「事務所に関する要件」=事務所の広さが20㎡以上などの諸条件があるので、広さが適合する事務所を借りる費用なども必要となります。
厚生労働省の職業紹介や労働者派遣事業に関するマニュアル、許可申請の手続きについてまとめたページを掲載しておきますので、具体的に立ち上げについて知りたい方はチェックしてみてくださいね。
まとめ
今回は人材派遣関連のビジネスで起業しようとお考えの方向けに人材派遣業の起業資金はいくら必要かについて解説いたしました。いかがでしたでしょうか。
人材派遣業を始めるにあたって大きな壁となり得るのが起業資金です。
人材派遣業を行う会社は派遣先企業へ安定した派遣社員の派遣と派遣社員へ安定した給与の支払いができるよう、最低でも資本金が2000万円以上必要とされています。その他にも実際に会社を立ち上げ許可を申請するまでに様々な費用項目がありますので、必要となる資金の概算は最低でも把握しておくようにしましょう。