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営業マネージャーの仕事と役割③ 目標設定

経営理念やビジョンの理解、そして中期の経営戦略の立案を行うことができたら、次は単年の領域に入っていきます。そして、その最初の仕事となるのが「目標設定」です。中期経営計画でも売上などに目標を立てることになりますが、単年の目標設定はその数字をより細かく落とし込んでいく必要があります。

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1.目標設定の種類・指標

目標設定の種類は、そのビジネスモデルや企業・経営者の考え方により様々なものがあります。一般的には人ごと・月ごと・商品ごと・拠点ごとなどがあり、目標とされる指標も、売上・利益・件数などがあります。

種類や指標を何を選択するのかは重要で、できれば個人個人に目標設定をしたり、月ごとに落とし込まれていた方がよいのですが、目標設定を受け持つことになる組織やチーム、個人の状況やレベルによりそれが難しいこともあります。どの種類や指標を選択するかについては正しい・間違っているというものが明確にあるわけではありません。その時点で目標に関わる人が最もしっくりくる、認識できる、取り扱うことができる種類や指標を選択します。

 

2.目標設定の失敗事例

前述のように、目標設定においてどの種類や指標を選択するかは関わる人の状況やレベルなどをもとに決めればよいのですが、どのような内容や数値の目標設定をするかはとても大切です。

ここでは正しい目標設定を考える前に、まずは目標設定における代表的な失敗事例をあげてみます。

 

2-1.成り行き数字を目標設定する

目標達成を目指すにあたって、特に何も意識しなくてもその目標数値が達成されてしまう、あるいは目標数値の達成に対して能動的にアプローチをすることができず、受動的な要素によって結果が決まってしまう、このような性質のものを目標として設定することはよくありません。

というかこのような数値はそもそも目標とは言わず、「成り行き数字」とか「目安」と呼びます。

目標とは、今のまま進んでいったら達成できないけれども少し頑張ったら達成できる、今できることだけをやっていたら達成できないが、いくつかの課題がクリアされたら達成できる、そのような組織や個人の成長を促すものでなければなりません。

そのまま漠然と、日常業務をこなしているだけで達成されてしまうものは「成り行き数字」であり目標とは呼ばず、組織や個人の成長を促すことはありません。

また、その売上目標は取引先の意向しだいで大半が決定してしまう、こちらから能動的に動いたとしても特に影響を及ぼすことができない、このような数値は目標ではなく「目安」として扱うことが正しくなります。目安の数字は「おそらくこれくらいの売上があるだろう」などと読み込んでおくことは必要ですが、こちらから能動的にアプローチをしても増えることはなく、また減少する傾向があったとしても手が打てないため、最低限の数字で読み込んでおくべきものになります。あくまでも目標とは、こちらから能動的にアプローチをしていくことができるものに設定する必要があります。

 

2-2.達成不能な数字を目標設定する

成長意欲の高い経営者や組織であればあるほど、とてもチャレンジングな目標設定をする傾向があります。しかし、チャレンジングな目標設定はOKですが、達成不能な目標設定はNGです。

例えば、ほとんど山登りをしたことがない素人に対して「あと半年後にエベレストに登頂しよう」という目標設定を課したとします。その人はその期間中に目標達成しようと必死に努力してトレーニングを積みます。

そして、半年が経った時にはエベレストは無理だったとしても富士山は登れるようになっているかもしれない。山登りが素人だった人が半年後に富士山に登ることができたら、それはそれで大変な進歩に思えます。

だから、一見達成不能な目標を課したとしても、それに向かって努力をすれば、普通では得られない大きな成果を得ることができる、そういったことを期待してエベレスト的な目標設定を課すという考え方があります。

しかし、この話には1つ欠陥があります。エベレストに登頂せよという目標設定を課されたこの人は、現実にはそれを達成しようと必死になってトレーニングは始めません。その目標設定の大きさに途方に暮れて、一歩も動き出せない、何もできないということが現実に起こることです。

成り行きはNGです、しかしエベレスト的もNGです。頑張る必要はある、しかし到達可能である。目標はこの範囲内に設定しなければいけません。

 

2-3.目標数値の伝達のみで計画の青写真が伝達されない

この失敗事例は、経営陣・管理者層・メンバー層というような階層が存在している企業において、最も多く起こっている代表的なものの1つです。いくつかの階層に分かれて仕事を行っている組織は、誰かの目標設定を他の誰か(通常は上位層)が考え伝達するという活動が数多く行われます。

上位層が設定した目標数値を下位層に伝達をしていくのですが、伝達をする時にその目標数値のみが伝達されていきます。「来期の目標はこの数字で決定です。どのようにやるかはみなさんで考えて実行してください」という感じです。このような場合、目標を受け取る側のお決まりの言葉は「目標が高すぎる」「経営陣は現場を分かっていない」というようなものになります。

当社の経験上では、このような現象が起こっている組織(本当にこのような組織が多くあります)において、経営陣が考えている目標設定に妥当性がないのかというと、決してそのようなことはないことが多いです。では何が問題なのかというと、目標の数値と共に「計画の青写真」を一緒に伝えることがなされていないことが挙げられます。

企業活動や営業活動の役割分担や効率化の観点からも、目標設定と計画立案を主に考えるチームや人が異なることは必要です。ですので、主に目標設定を考えるのは経営陣、細かいところまで計画を考えるのは管理者層やメンバー層、という役割分担が発生することは自然なことです。目標設定と計画立案は目標設定が先に行われることになりますので、経営陣が目標を考え、それを管理者層に伝達し、その後に計画が立案されることになります。それも自然なことに見えるのですが、ここで1つ落とし穴があります。目標設定を考えた経営陣は、細かい計画を考える必要はないのですが、目標と共に計画の青写真を伝達する必要があります。計画の青写真とは「Aの課題とBの課題をこんな感じで解決して、Cのターゲット層から新しいサービスをあんな感じで受注して売上を伸ばすことができれば、管理者層から見ると高いと感じる目標だと思うけれども、経営陣としてはこの目標数字を達成できると考えている」というような感じです。

2-2.では、達成不能な目標設定はNGと記載をしました。これをもっと掘り下げて書くと、その目標達成を主体的に目指す人が達成不能だと思っていることがNGである、ということになります。経営陣は達成可能だと思っていても、管理者層が達成不能だと思っていたのであれば、それは経営陣にとっては登れる山ですが、管理者層にとっては半年後のエベレスト登頂だと感じているのです。

その認識のすり合わせを可能とするのが、「計画の青写真の伝達」です。詳細ではなくても「こんな感じでやるとできるのではないか?」と伝達されるだけで、「なるほど、そう言われてみると何か達成できるような気がしてきたな。」と思ってもらうことができるようになっていきます。計画の青写真を合わせて伝達することにより、目標設定の妥当性も合わせて正確に伝達をしていくことができるようになります。

 

2-4.結果目標のみが掲げられ、具体的な行動を起こすことができていない

目標には「結果目標」と「行動目標」があります。オリンピックで金メダルを取る、は結果目標です。フルマラソンを完走する、も結果目標です。売上目標200万円、これももちろん結果目標です。

では、行動目標とはどういうものでしょうか?オリンピックで金メダルを取るために、1日8時間の練習をする。フルマラソンを完走するために月に100km走る。こういった内容のものが行動目標です。売上目標200万円に対してはどうでしょうか?週に6件の商談をする、20件の飛び込み訪問をする、1日30件の電話をかける、こういったものが代表的な行動目標になります。

多くの組織や個人において、結果目標が掲げられています。しかし、その結果目標を達成するために具体的に何をすればいいのかを理解している人はかなり少ないと言ってよく、結果目標というお題目は掲げられていますが、実質具体的にはその達成に向けて何もしていない、できていない、時の流れに身を任せているという人は数多く存在します。

結果目標はあくまでも結果です。結果とは通常はある1点を指します。しかし、その結果とは数多くの行動とそれにかけている時間の積み重ねであり、それらが最後に結果という1点に集約されて現れてきます。

ある結果目標が与えられた時に、それを達成するための具体的行動を自ら組み立て実行できる人は良いでしょう。しかし、そのようなことができない多くの人に対し、「行動目標」という結果目標に付随する下位層の目標も合わせて課すことにより、少なくとも結果目標を達成するための具体的な行動を何1つ起こせていなかった、という状況は無くすことができます。

結果目標の達成のために自ら行動を組み立てられる人には行動目標は不要です。しかし、自ら行動を組み立てられない人には、行動目標の設定は有効です。そして、行動目標を達成したからといって結果目標を達成できるとは限りません。しかし、何もできないでただ時間が過ぎるよりは、少なくても行動はしているので進捗管理(結果目標との差異を認識し、行動の改善を行っていく活動)には持ち込むことができます。

結果目標だけが掲げられているだけで前に進んでいる実感が持てない組織は、「行動目標」の設定が現状を打破する1つの解決策になる可能性があります。

 

2-5.目標設定のダブルスタンダード

これは経営陣や管理者層に特によく起こることなのですが、目標設定と呼べる数字を2種類以上持ちながら組織運営を行っている場合があります(目標設定のダブルスタンダードと呼ばれる状態で、これも多くの組織でよく見られます)。社内で共有している目標はこの数字なのだが、損益分岐点や資金繰りなどの観点から最低でもこの数字を確保していれば十分かな、というように表現されることも多いです。

経営陣や管理者層が、このような目標設定と呼ばれる数字を複数持っていることを否定したいのではありません。むしろ、成長戦略を考えつつも最悪の状況も想定しながら企業運営や組織運営をしなければいけないことも間違いのないことで、イケイケドンドンの目標と計画しか持っておらず、守りが必要な状況があるにも関わらずそれを想定していないのは、それはそれで問題となってしまいます。

目標設定のダブルスタンダードにおいて気を付けなければいけないことは、社内に伝えているのは高い方の目標設定なのですが、日々の業務の中で低い方の目標設定も持っていることがにじみ出てしまうことです。例えば今月の結果が、2つの目標の間に着地した場合を考えてみましょう。社内に伝達している目標設定に対しては未達なので「ではどうやって今後このマイナスを取り返していこうか?」と経営陣や管理者層が積極的に引っ張っていかなければいけないはずですが、低い方の目標に対しては達成しているので「まあこれでも十分かな」と考えてしまうと、このマイナスをどう挽回していくか?という力が弱くなってしまいます。メンバー層はこういった雰囲気は敏感に感じ取るので、「ああ、この程度までやっていればOKということなんだな・・・」と認識され、目標達成を追いかけるということを行わなくなってしまいます(正確に言うと、明確には発表はされてはいませんが、感じ取られている低く設定している目標の方を事実上追いかけることになります)。

この状態になると、当初社内で設定されていた目標の達成はほぼ実現できなくなります。経営陣や管理者層は基準となる数字を複数持つものです。しかし、組織の運営上低い方の目標を持っていることを感じ取られてはいけない場面も多くあり、言動や行動に気を配らなければいけません。

 

2-6.修正目標に起こる失敗事例

期初に設定された目標を達成するために様々な活動を行うのですが、残念ながらその期中にその目標達成を諦めなければならないことがあります。そうなった時に、当初設定していた結果目標を下方修正し、新たに設定したその修正目標の達成に向けて残りの期を運営していくことがあります。明確に下方修正をした目標を決めていなくても、事実上は下方修正をしているという状態はよく起きています。

しかし、ここで修正目標に対して数多くの組織が経験していることがあります。それは、修正された目標はほぼ達成されることはないということです。当初の結果目標を達成できないから修正目標を設定しているのですが、その修正目標も達成されることなく、ズルズルと結果が落ち込んでいくということがよく起きています。

なぜこのようなことが起きるのでしょうか?それは、修正目標も多くの場合チャレンジングに設定されてしまうからです。目標は下げるのですが「さすがにここまで下げるのは嫌だよな」「ここまで下げたら経営陣に何て言われるか分からないよな」といった形で、成り行きでは達成できない、頑張らなければ達成できない位置に修正目標が設定されます(これそのものは目標設定の原則からはある意味では正しいことです)。

そして、そのチャレンジングに設定された修正目標をどう達成するかの計画を十分に考えることなく(期中なので考える時間もあまりなく)、ただ数字が下がっただけでやることは何も変わらない状態で修正目標がリリースされます。修正目標を達成するための課題解決などをどう行うかが入念に考えられていませんので、チャレンジングに設定された修正目標の達成がなされないという結果が起きることになります。

誰でも設定した目標がすべて達成できるわけではありません。時には修正をしなければいけないくらい、当初の結果目標と乖離してしまうこともあるでしょう。その時には修正目標を設定しなければいけない時もあります。しかしその時に、数字だけをただ下げるのではなく、修正目標の設定とそれを達成するための計画立案を、時間がないのですが一生懸命考えて、結果が下がることをここでしっかりと食い止める必要があります。

 

3.有効な目標設定を行う方法

ここまでは目標設定を失敗する事例をあげました。ではどのようにすれば、有効な目標設定を行うことができるようになるのでしょうか?

 

3-1.前々期実績・前期実績との比較

今期の目標設定をするにあたり、前々期実績・前期実績と比較する、ということです。来月の目標設定であれば、前々月・前月と比較する、ということになります。当たり前に聞こえるかもしれません。しかし、意外とこのプロセスを踏まずに目標設定をしている組織や個人が多くあります。

今期の目標設定を行う際に、同一分野の前々期実績・前期実績と比べることを必ず行います(もちろん新規事業などの場合は以前の実績はありませんので、比べるものがあるものに限ります)。達成不能な目標設定になっていないか?成り行き数字になっていないか?そういったことが簡単に見て取ることができます。

 

3-2.目標設定と計画立案は同時並行という原則を守る

有効な目標設定をするために、計画立案と同時並行で行うという方法があります。目標設定と計画立案を分離してしまっている人は同時並行で考えてもらえればと思いますが、多くの人にとっては目標設定と計画立案を同時並行で考えることは実は自然なことでもあります。

この目標設定にするとどのようなことをやると達成できるのかな?・・・どうやら具体的な計画が組めそうにないから目標が高すぎるかな?では目標を少し下げてみたら、具体的な手段を組むことができるかな・・・?

先日見つけてきた新しい手段を使うと成果が大きく出そうだから、この前まで考えていた目標設定をもっと高くすることができないかな?でも目標を高くすると、今のサービス提供体制だと人が足りなくて厳しいかな・・・?それであれば採用費を高くして人を増やしてみてはどうかな?

このような頭の中のやり取りは、目標設定と計画立案が同時並行で進んでいることを表しています。目標設定と計画立案は同時並行で考えることにより、その精度を相乗的に高めていくことができます。

目標設定と計画立案は、1人が合わせて考えている時は問題は起きにくいですが、目標設定と計画立案を考える主体が異なる場合に一気に問題が発生する確率が高まります。それがすなわち前述の2-3.の失敗事例となります。目標設定を考えている人は、必ずと言ってよいですが計画立案も同時に考えているのです。目標設定とそれを組み上げた時に考えていた計画(詳細まではなくても青写真の状態は持っている)は切り離さずセットで扱うべきものになりますので、目標と共にこの計画の青写真を伝えることを心掛けることにより、目標設定と計画立案の同時並行の原則を破ることなく、目標設定と計画立案を考える主体を変えることができます。

 

3-3.最適な目標設定を行うことができる感覚を磨く

3-2.では目標設定と計画立案は同時並行と書きましたが、目標設定と計画立案は突き詰めていくとどちらが先なのか?というと、これは確実に目標設定が先であり計画立案が後になります。計画を作る目的は目標を達成するためです。しかし、ある計画を実現するために目標を設定する、ということはありません。

ということは、目標とは最初の最初は具体的に何をするのか?という計画的なことは何もない状態で、その基となるものを初期設定することになります。もちろんその後は計画立案と同時並行、相乗的に作られていくのですが、初期設定となる目標を決めるときは、「目標はとりあえずこんな感じかな?」と設定することになります。そして、この初期設定された目標が最後まで貫かれていくことも少なくありません。

仮にでも目標が設定されるから、その後に計画が生まれてくるのです。この基となる目標を正しいものを設定するための方法は、目標設定の感覚を磨いていくとしか表現のしようがありません。単年の目標はビジョン(およそ10年)や経営戦略(5年)から落とし込まれているものではあり、その範囲内であるという基準はあるのですが、それでも初期設定の幅は広いものになります。それを、このくらいだったら達成可能だろう、と仮にでも設定して前に進めていくことになります。正しい目標設定を行うための感覚を磨くためには、何度も何度も目標設定に取り組みその後の結果を経験的に受け入れていきながら、感覚的に「これならできる」「これは達成不能である」というものを身につけていくしかありません。

 

3-4.行動目標の立案と運用

前述の2-4.に関する内容です。結果目標だけが掲げられていても、具体的な行動が伴わないのであればその結果目標の達成を見る日もやってこない可能性が高くなります。

この行動目標の設定と運用の必要性は引き続き高まっていると言えます。「プロセスマネジメント」とは、結果目標だけでなくこの行動目標の達成も評価に反映させようとする取り組みであるとも言えます。

しかし、行動目標を設定する・運用すると言うことは簡単ですが、実際にそれを有効な状態で運用することは難しいものです。結果目標は簡単に変えるものではありませんが、行動目標は結果目標の達成に近づくのであれば変えてもよいものです。しかし、頻繁に変えることは普段の業務がやりづらくなるばかりか評価基準に支障が出てしまいます。よって行動目標も1度決めたら簡単に変更しなくてよいように、よく考えて設定をしなければなりません。

また、結果目標と行動目標を設定して業務を行うと4通りの結果が出てきます。すなわち、①結果○行動○ ②結果×行動× ③結果×行動○ ④結果○行動× の4通りです。①と②は評価として分かりやすいのですが、③と④をどう評価するのかは非常に難しくなります。行動目標を達成しても結果目標を達成できなかった人を満額の評価をすることはやはりできません。しかし、行動目標達成の評価が低すぎるのであれば行動目標の運用を行う意義は薄くなり、実質的には結果至上主義の組織運営になります(通常は結果至上主義にしたくないので、行動目標の運用を取り入れていることになります)。管理者層とメンバー層で、結果と行動の評価割合を変えることも必要かもしれません。

結果目標を達成しても行動目標が未達成の人はどうでしょうか?こちらも満額の評価をしてしまうと「結局は結果至上主義ではないか?」という空気を社内に広めることになりますし、例えばラッキーパンチで大きな受注があり結果目標を達成した人を評価してしまうことは真の実力で勝ち取ったものではないので、その人にとっても良くない評価になります。結果が出たことに対してはインセンティブ等で報いることは必要だと思いますが、実力の向上を示す固定給や能力給の上昇は行わない、などの考え方が想定されます。

また、行動目標は達成していても結果が出ていない場合は、行動の質をチェックする必要性も出てきます。その行動は想定される質を満たしているのか?相手担当者が不在であった訪問を1件の訪問と数えていないか?ただ参考的に提出した見積もりを、有効な1件の見積もり提出と数えていないか?そもそもその行動は「1」と数えられるのか?行動目標を導入するからには、このような点まで考慮して運用ルールを設定していく必要があります。

行動目標の運用は簡単ではありません。しかし、結果目標の達成・未達成だけで評価を行っていくことは、現在の社会情勢にも合っていないことは間違いないとも考えられます。行動目標を導入し、プロセスマネジメントを少しずつでも導入していくことは、限られた人材のリソースを活かし、最終的には結果目標の達成確率を高めることに繋がるはずです。

 

4.まとめ

目標達成ができていない企業や組織において、その原因が「目標設定」そのものにあることが数多くあります。立てられている目標そのものが悪いから、達成できないということです。

目標設定は営業マネージャーをはじめとする管理者にとって、最重要の仕事の1つです。しかし、その難易度は極めて高い仕事でもあります。今回記載をしてきた目標設定の原則を守り、その組織にあった結果目標設定や行動目標設定を行い、ぜひ単年の目標達成に組織を導いてください。

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