営業マネージャーの仕事と役割も、前回の計画実行まででかなり前に進んできました。計画実行をしたら、次に待っているのは「進捗管理」です。
ある計画を実行したら、すべての結果が出るまで放っておくことは少なく、ある一定期間(1日、1週間、1ヵ月等)で、その計画実行が目標達成に対してうまくいっているのかを確認したくなります。まさしくそれが「進捗管理」です。
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1.「PDCA」の実際
「PDCA」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。「営業マネージャーの仕事と役割」の中では、「PDCA」という言葉を使ってはいませんが、「PDCA」という観点で言うと、計画立案はP(Plan)、計画実行はD(Do)、進捗管理はC(Check)にあたります。
ここで、PDCAに対して2つの疑問があります。
- A(Action)とは何のことでしょうか?
- Aの後は何がやってくるのでしょうか?
A(Action)は、「改善策実行」などと訳されます。
Cで立案した改善策を実行するということなのですが、より簡潔に言うとD(Do)と変わらないと言うことができます。なので、A(Action)はD(Do)のことだとしても実務上はあまり問題はありません。
では、C(Check)をした後にA(Action)=D(Do)をした後は何がやってくるのでしょうか?
「PDCA」を図で表したものを見て、多くの方がP(Plan)に戻ると言うのですが、実際にはC(Check)に戻ることが大半です。Cの後はA=Dです、A=Dの後はCです。Cの後はA=Dです・・・実際は、PDCDCDCDCDCDCD・・・というように計画実行と進捗管理を繰り返すことになります。
では、いつまで繰り返すのでしょうか?それは、大幅に計画を見直して作り直す(Pに戻る)か、目標設定が変わる時までです。大幅に計画を見直すときは、どんなに短くても3か月~半年、目標設定が変わるときは、1年などというスパンになります。これがPDCAと言われる、マネジメント手法の運用の実際になります。
PDCAという概念はとても重要です。しかしそれは、営業マネージャーの仕事と役割の中の断片的なものを表しているものであり、PDCA=マネジメントスキルという捉え方は全体から見ると不十分です。
「PDCA」という言葉が1人歩きすると、実際とはだいぶ離れてしまうことと、「PDCA」には目標設定や目標共有の概念も含まれていないため、ここではあえてPDCAという言葉を使わずに営業マネージャーの仕事と役割を説明しています。
2.「進捗管理」とはそもそも何を行うのか?
「PDCA」の話から、今回のテーマである「進捗管理」に話を戻します。「進捗管理」と言うととても格好良くも聞こえる言葉なのですが、ではそもそも「進捗管理」とは具体的に何を行うのでしょうか?
「進捗管理」で行う具体的なこととは、以下の3つです。
2-1.現状確認
まず進捗管理で行うことは「現状確認」です。設定されている目標数値から現在の数値がどの位置にあるのか?を確認することです。
例えば、年間売上目標1,200万円、月間売上目標は分かりやすく均等に100万円ずつとします。1ヵ月経って結果を見てみると、1ヵ月目の売上は80万円でした。だから現在は20万円目標設定から遅れを取っている、ということになります。
何か難しいでしょうか?そうです、何も難しくないのです!
しかし、実際にはこの現状確認ができていない組織や個人がとても多く存在しています。
今日現在いくらの受注があるか分かっていない、来月の中旬にならないと正確な数字が出てこない・・・中小企業を中心とした多くの企業が、このような現状確認ができない状態で闇雲に進捗管理を行っています。正確な現状確認は、正しい進捗管理を行う第1歩です。
また、現状確認に対して見て見ぬふりをするということもあります。進捗会議に参加している誰もが、目標設定に対して大きく遅れを取っていることは分かっています。しかし、誰しもが大きく遅れを取っていることに触れたくない、実際にいくらの遅れなのかを計算して明らかにすることを避ける、ということもあります。
そういった場合はいろいろな事情があることが多く、そのような行動を取る人の気持ちも分からなくはないのですが、いずれにせよ正確な現状確認のない進捗会議は時間のムダです。いずれどこかで現状を正確に認めなければいけなくなりますので、それは1日でも早い方がよいです。
2-2.「具体的な」改善策立案
現状確認は行いましたが、それで終わってしまうということも多く見受けられます。先ほどの例で言うとどうなるかというと、今月は20万円少なかった、来月は頑張ろう!というものです。
これはとても残念なことなのですが、現状確認を行うと少なく見ても80%以上は目標に対して遅れが生じている、ということが判明します。目標通りだね、目標よりも上振れしているね、というような状況はほとんどなく、あったとしてもそれは短期的なものですぐに遅れをとるマイナスの世界に引きずり込まれることが多くなります。それだけ目標設定というものは、高くチャレンジングに設定されていることが多いのです。
では、現状確認で足りないことを確認したらどうすればよいのでしょうか?それは、「具体的な」改善策を立案することです。頑張ろう!は具体的とは言いません、何とかしろ!も具体的ではありません、お前が考えろ!ももちろん具体性はありません。しかし、この3つのワードは、進捗会議において管理者から聞かれるあるあるワードです。
現在はもともとの計画から遅れているのです。もともとの計画もそれほど余裕をもって作られているわけではありません。計画実行もされているのであれば、もうすでにメンバーは頑張っているのです。そのような状況に求められるのは、「具体的な」改善策・アドバイスです。
具体的なアドバイスとは、具体的な次の行動内容(ネクストアクション)と共に数字や期限を伴うものです。
- あと1日1件多く訪問し、電話をかける件数も1日30件に増やそう
- 1週間後までに、新しい製品情報を入手して共有しよう
- 1ヵ月後までに、社内のマニュアルを修正しよう
といった内容が具体的な事例です。
では、どうしたら具体的な改善策を考えることができるのでしょうか?それは、計画立案のところでも記載をした課題の解決策立案にある内容と同じです。
現状の問題解決や課題解決に対する「関連する知識や解決事例」が多ければ多いほど改善策を立案できる可能性は高くなります。
しかし、多くの場合は現状確認をしてから関連する知識を取りに行っても時間的に間に合いません。営業マネージャーをはじめとする管理者は、常に先行して様々な知識獲得にアンテナを張っておくことが必要です。
2-3.計画修正
具体的改善策が立案できたら、当初立てていた計画を修正します。もちろん当初立てた計画の精度が高ければ高いほど、計画修正は軽微で済みます。計画立案はこの観点からもやはりとても重要なのです。
そして、計画修正の段階でも計画立案の時に解説した注意事項がそのまま当てはまります。やはり課題解決の観点のない計画はNGですし、計画修正をした時にフロントヘビー的計画になっていないかを十分に検証する必要があります。
前述のように、現状確認をすると当初計画よりも遅れを取っていることが多くなります。遅れを取り戻すために計画を修正するということは、当初計画よりも行動内容が時間的にも内容的にも厳しくなることになります。
計画立案の段階でも、ある意味普通に計画を立てるとフロントヘビーになります。その計画をより厳しくしようと言うのだから、さらに時間的に厳しい計画にならざるを得なくなります。
これが時間的限界を越えると実行不可能な修正計画となってしまい、組織がこれ以上動かなくなります。計画立案に比べて修正計画は短時間で出さなければいけないことが多く、ここにもマネージャーとして短時間で正確な修正計画を作成するというスキルが求められます。
2-4.進捗管理の大前提
進捗管理とは現状確認、具体的改善策立案、計画修正の3つであることを書いてきましたが、進捗管理には1つの大前提が存在しています。
それは、「設定されている結果目標は変えない」ということです。
行動目標は変えてよい(行動目標は計画の一部と見ることができるため、行動目標の修正は計画修正と捉えることができる)のですが、進捗管理においては、結果目標は変えてはいけません。当たり前なのですがとても大切な考え方で、現状確認も具体的改善策立案も計画修正も、変えることのない結果目標を達成することが大前提です。
進捗管理を行うと、計画修正ではとても太刀打ちできない状況にあることが分かることがあります。その現実を直視すると、設定されている結果目標を下方修正せざるを得なくなる時があります。
しかし、この場合はもはや進捗管理ではありません。目標の再設定です。目標を再設定したのであれば、次は計画立案からやり直しをしなければいけません。
当然、結果目標を下方修正しなければいけないという事態は誰もが望むものではありません。しかし、その状況が起きてしまうということは、それまでのプロセスのどこかに問題があるからであり、それも受け止めて次に進むしかありません。
結果目標の修正というのは、上記のようにとても大きいことなのです。多くの進捗会議において簡単に目標の下方修正をすべきという意見が出る時がありますが、それは進捗管理の原則を無視するものであり、目標設定・計画立案・計画実行のプロセスを軽視することにも繋がりかねません。
目標の下方修正が常態化すると、計画立案や計画実行を頑張らなくなってしまうのです。
3.「進捗管理」はどのように行うのか?
前項では、進捗管理とは何を行うのかを書いてきましたが、ここでは進捗管理を具体的にどのように行うのかを記載していきます。
3-1.自分1人で行う「自己管理」
「進捗管理」と書くと、すぐに「会議」を思い浮かべる方も多いのですが、会議を行うことはあくまでも進捗管理の手段であり、会議をすることが絶対ではありません。
自らの目標設定・計画立案・計画実行に対する進捗管理を、誰かと話すことなく自分1人で行うこともあります。これは「自己管理」と呼ばれるもので、自らの直属の上司を持たない人(経営者、個人事業主、部門責任者、生命保険等の組織営業ではなく個人営業の性質が強い職種)は、自分の進捗管理は自ら行うしかありません。
また、自らの直属の上司がいて、その人が部下であるあなたの目標達成に責任を担っている(自己管理に対して他者管理)としても、自らの進捗管理を上司任せにすることはよくありません。
他者管理をしてもらう人がいたとしても、自ら自己管理も行い、目標に対する現状確認、具体的な改善策立案、計画修正を行った上で上司に報告したり、会議に臨む必要があります。
自己管理も他者管理も、進捗管理に対する考え方は同じです。何かしら自らの目標設定を持っている人は、必ず自己管理を行う必要があります。
3-2.進捗管理ツールを作り、使う
進捗管理を行おうとすると、これもよく出てくるのが進捗管理ツールを作ろう、という話です。しかし、ここでも大切なことは進捗管理ツールはあくまでも進捗管理の手段であるということです。
私たちは、今まであまり進捗管理に力を入れてこなかった組織や個人に対して、いきなり進捗管理ツールを作ることは勧めていません。進捗管理ツールを作る時のポイントは、
- 進捗管理をする時に毎回同じ項目や係数を調査している
- その調査にある程度の工数がかかる
という時に、その調査を自動計算できるようにしたり、普段から誰かに記録をお願いしたり、場合によっては顧客管理や販売管理等のシステムからボタン1つで出力できるようにしたりします。
そして、進捗管理ツールを作るにあたってもう1つ大切なことは、この項の題名にもあるようにその進捗管理ツールを「使う」ということです
例えば、「日報」というものがありますが、日報も日々の進捗管理ツールの1つと見ることができます。「営業担当者は日報を出すことになっているんだけど、みんなルールを守らずに出していない」などという言葉をよく聞きます。
では、なぜルールで決まっている日報を出さなくなるのでしょうか?それは出さない営業担当者が悪いこともあるのですが、その日報が「使われない」ことが最も多い原因です。
日報や他の進捗管理ツールが提出されなくなったり、更新をされなくなる原因のほとんどがその提出物が誰にも使われず、書いたら書きっぱなし、提出したらしっぱなしになることがとても多くあります。
進捗管理ツールを作るのであれば必ず使う、使うことを想定した進捗管理ツールを作る必要があります。
3-3.進捗会議を行う
上司・部下やチームの関係性などがあり、複数人数で進捗管理を行わなければいけない場合は、進捗会議を行うことが1つの手段になります。
「会議の方法」ということそのものに議論を踏み込んでしまうと、それはそれで膨大な量になってしまいますので、ここでは進捗管理を行うための進捗会議に絞ってその方法を記載していきます。
3-3-1.営業やサービス提供(製造・制作・施工等)に関する進捗会議は週1回以上が原則
進捗会議を行うにあたり、決めなければいけないことはその開催頻度です。営業や製造のような日々の変動要因が多い業務の進捗会議は週1回以上の実施が必要です。
経営、財務、人事に関する進捗会議は月1回でもよいと思います。週1回の開催では大きな動きがなく、進捗管理をする材料がないことも多いです。
しかし、それ以外の分野は日々変動が大きく、今日の結果によって、明日以降の行動を変えなければいけないということも発生します。そのため、日々の動きは日報等の担当者からの提出物で把握し、週1回は進捗会議を行い、細かく進捗管理を行う必要があります。
3-3-2.原則として進捗会議参加を優先させる
当社のコンサルティングなどでお客様の進捗会議に参加をすると、「○○さんはお客様のところに訪問しているので会議は欠席です」「△△さんは現場の人が足りないから応援に行っています」というようなことがあります。
クレーム対応などでどうしても顧客対応や現場訪問を優先しなければいけない時もあります。しかし、進捗会議の欠席が多い人は、進捗管理の重要性を理解していない人も多く存在します。
進捗会議をしようとすると皆からの反発があって会議そのものが開けない、という中小企業も存在しますが、その企業は会社全体として進捗管理の重要性を理解できていません。
進捗会議を行う目的はそこで進捗管理を行うことです。進捗管理とは、目標に対する現状確認をして、具体的な改善策を立案し、計画を修正することです。この目標達成に対して絶対に必要なプロセスよりも優先する顧客対応や現場訪問がどれだけあるでしょうか?
もちろんゼロであるとは言いません。しかし、進捗管理の重要性を正しく理解すれば、顧客対応や現場訪問との優先順位は変わることも多いでしょう。
進捗会議は毎週定例の時間で開催し、その時間は関係者は極力会議参加を優先させる必要があります。
3-3-3.当日口頭での報告を行わない
進捗会議に足が遠のく人は進捗管理の重要性を理解していないと書きましたが、会議の質の問題もあることは確かです。貴重な時間を割いて会議参加しても、意味のない会議であれば参加したくないというのも分かります。ここからは会議の質を向上するための内容です。
これは進捗会議に限ったことではないですが、当日の口頭のみでの報告はNGです。口頭のみの報告では漏れが発生する、共通して見える資料がないので誤解が発生しやすい、言っていることを理解するのに時間がかかる、などの理由があげられます。口頭のみの報告は百害あって一利なしです。
自らが報告する内容は簡単にでもよいので資料にまとめ、報告される側と共通のものを見て報告するようにしましょう。報告資料をプロジェクターに映しながら話すこともとても有効です。
また資料を作成するのであれば、できれば文字だけの資料だけでなく、図・表・絵を活用した資料であればより効果的です。図・表・絵を描くことが苦手という人も多いですが、現在は資料作成ツールの機能を少し知ればできることも数多くあり、またインターネットの画像検索を行うと無料で多くの質の高い図や絵を手に入れることができます。これらを活用すれば、ITスキルがほとんどなくても見る人にとって分かりやすい資料を作成することは十分に可能です。
3-3-4.現状確認だけでなく、具体的な改善策も考えて会議に臨む
進捗管理とは何をすることなのかを見れば明らかなことなのですが、会議参加者は現状確認だけではなく具体的な改善策も考えて会議に臨む必要があります。
目標と結果が書いてある資料を提示し、「現在は○○円のマイナスとなります」という報告のみをする人がいます。
しかし、そのようなことは誰が見ても分かるのです。目標から結果を引き算すればいいのです。興味があるのは、「では、それでどうするの?」ということです。
前述にもあるように、具体的改善策を考えることは簡単ではありません。しかし、それを考えてこそ価値のある進捗管理をしていると言えます。会議参加者は具体的改善策も考えて臨みましょう。
3-3-5.管理者は改善策の「決定事項」まで考えて会議に臨む
進捗会議においては、会議参加者は具体的な改善策まで考えてから臨むようにすることと記載しました。
ではその中で管理者はどのような役割を持っているのでしょうか?それは、管理者は「具体的な改善策の決定事項まで考えて会議に臨む」必要があります。
担当者が自己管理によって改善策を考えてくることは必要です。だからと言って、管理者が何も考えずに担当者の改善策を聞いて、良し悪しを判断するということは行ってはいけません。ここにも営業マネージャーをはじめとする管理者が間違った進捗管理をしている落とし穴があります。
担当者が考える改善策は、管理者が考える改善策よりも不十分である可能性が高いです。それは過去の経験、知識量、情報量の多さからある意味では当然なことです。担当者が考えた改善策のみで判断することは、それはイコール目標達成に繋がらないことを示しています。では部下が目標達成ができない責任は誰にあるのでしょうか?当然担当者本人にもあるのですが、その責任は管理者にもあります(多くの場合管理者の責任の方が多くなります)。
部下やメンバーの目標達成に対する改善策を考えないことは管理職務の放棄と言ってもよい重大事項です。こここそが管理者が最も頭を使わなければいけないところの1つです。
そして、具体的改善策の実行を決定・決済するのもまた管理者です。だから管理者は具体的改善策の「決定事項」まで考えて会議に臨む必要があります。
よく、テレビドラマなどで理想の上司とされる人が会議の場で、「よし、お前の案で行こう!このプロジェクトお前に任せたぞ!」「ありがとうございます!」などと言っている場面があります。
しかし、進捗管理の原則からは、正確には下記の内容になります。
「よし、お前の案で行こう!このプロジェクトお前に任せたぞ!」(私が考えていた案と一緒だった、もしくはそれと同等と評価できたため、結果に繋がると判断できる。しかし、私が考えていたことと同じだと言ってしまうと、せっかく考えてきた彼のやる気をなくしてしまうから言わないでおこう)
「ありがとうございます!」
当然部下のモチベーションの観点からは、( )の部分は声には出しません。そして、この上司はどうすれば目標達成ができるのかの案を自らもしっかりと考えていなければ、「お前に任せた」などという言葉は、とても怖くて使えないはずなのです。
3-3-6.会議資料は事前提出する
当日の口頭での報告はNGと記載をしましたが、いくら資料を作ったからと言って、当日その場での資料提出もNGです。
せっかく資料を作ったのにも関わらずなぜでしょうか?それは当日資料提出をされたのでは、管理者が決定事項としてもよい具体的改善策を考える時間が取れないからです。
管理者も人間です。その場で資料を提示され、さらにその場で有効な具体的な改善策を考えることはとても難しくなります。しかし、管理者はその場で何かしらの決定を下さなければなりません。資料提出が会議の開始時間に近くなればなるほど、会議における改善策等の意思決定の質が落ちることになります。
会議資料は原則は会議前日、どんなに遅くても会議開始の2時間~3時間前には提出をすることが必要です。
3-3-7.進捗会議の制限時間を決める
進捗会議に足が遠のく大きな原因は会議時間の長さです。毎週の進捗会議は、効率の面からも集中力の面からも1時間~1時間30分に抑えるべきです。
それを越えてしまうような会議は問題があります。資料の事前提出を徹底する、内容を分割するなどを行い時間短縮をする必要があります。
3-3-8.事前に考えてくる、考えることは宿題にする
会議を長くする最も大きな原因の1つは、「その場で改善策を考える」ことです。これをやり出すと、会議の時間はいくらあっても足りません。
資料の事前提出等の取り組みを行い、全員が改善策を考えて臨むことをすれば当日その場で考える必要がなくなります。
そして、進捗会議を行っていると、考えなければいけないことも出てきます。それはその場で考えるのではなく、考えてくることを次回までの宿題とします。考えることをしないだけで大幅な時間短縮に繋がることも多いです(そしてその考える時間というのは、考えるタスクを持つ人が自分との約束としてスケジュールに書き込むなどして、実行をしていくことになります)。
4.まとめ
ここまで進捗管理の内容と具体的方法について記載をしてきました。多くの組織や企業がこの進捗管理をできていないという課題感を持っています。
しかし、その多くが進捗管理そのものには原因はありません。目標設定、目標共有、計画立案、計画実行という進捗管理の前段階に問題を抱えていることも多いのです。
目標達成までの上流部分に大きな問題を抱えていたら、下流部分である進捗管理をどう頑張っても物事が前に進みません。
今記載をしたように、進捗管理とは目標達成のプロセスにおいては下流工程なのです。進捗管理に問題を抱えているという組織や個人は、実は目標達成までのプロセスから考えるとあと一歩のところまで来ていますし、それはとても高度な問題であるとも言えます。
進捗管理にも管理者の力を発揮しなければいけないところが数多くありますし、とても細かい管理が必要にもなります。しかし、進捗管理まできたら目標達成までもう少しです。管理者として自分そしてチームの目標達成を最後まであきらめず、具体的改善策を考え続け、そして打ち続けていきましょう。