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ヒアリングを制する者は商談を制する!?~商談時のヒアリング技術を身につけることで成約率は大きく向上します~

今回も前回に引き続き、初回商談当日の営業ノウハウについて紹介していきたいと思います。

皆さま、商談時のヒアリングは上手くできているでしょうか?

これまでのブログで「商談資料の準備」や「事前の想定」、「商談時の自己紹介」について紹介してきましたが、商談当日の技術のなかで最も重要なものが、この「ヒアリング」になります。

ヒアリングが上手くできている商談は成約率が上がりますし、反対にヒアリングが上手くできていない商談は成約率が下がるどころか商談自体が盛り上がらないケースも多くなります。

ヒアリングは決して感覚的なものではなく、技術として身につけておくべき商談スキルです。事前準備と練習でどれだけでも上達することができます。

商談は相手とのフィーリングが合えば盛り上がるけどフィーリングが合わないと盛り上がらない・・・。

新規商談にこのような感覚をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

このような感覚を持たれたことがある方はもしかするとヒアリングを技術として捉えることができていない可能性があります。

是非、この機会にヒアリングを商談技術の1つとして身につけていっていただければと思います。

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ヒアリングの重要性を理解していますか?

新規商談の成功においてヒアリング技術はかなり重要な要素といえます。

まさにヒアリングを制する者が商談を制するといっても過言ではありません。

新規商談に行かれたことがある方は分かるかと思いますが、基本的に初回商談は多くの時間をヒアリングに費やします。前回のブログでも紹介したように自己紹介の時間は約3分となっており、その後の時間はヒアリングを行っていくことになります。前回のブログでお伝えした商談時の自己紹介も当然大切なのですが、ヒアリングを如何に上手く行えるかが商談のポイントになってくることは間違いないことかと思います。

 

ヒアリングとはなにか?

では、商談ではヒアリングが重要です。ということはご理解いただけたかと思いますが、改めてここで考えていただきたいのですが、ヒアリングとは一体どのようなことを行っていくものなのでしょうか?

一言にヒアリングといっても人によって意味の捉え方は違ってくると思いますので、まず初めにヒアリングの定義付けをしておきたいと思います。

今回のブログで紹介する(先程から何度も取り上げている)ヒアリングとは、初回訪問当日における、

「自己紹介」(会社紹介、商品・サービスの紹介、実績・事例の紹介)

⇒「相手状況のヒアリング」(商談相手からの質問、回答、提案)

⇒「見積もり提出・クロージング」(プレゼンテーション、再ヒアリング)

の流れに出てくる『相手状況のヒアリング』を指しています。

商談当日において、自社の紹介をした後に商談相手の状況や課題感を聞いていく工程になります。

こちらの図でいうと赤枠で囲った部分をヒアリングと呼んでいます。(今回のブログでは扱いませんが、業種によっては契約に至る相手に対して要件定義していく工程をヒアリングと呼ぶこともあるかと思います。今回のブログで紹介するヒアリングはその部分ではなく、初回商談時での相手との応対をヒアリングと呼んでいます。)

商談が始まってまず初めに自己紹介(会社紹介、商品・サービスの紹介、実績・事例の紹介)から行っていき、最終的なクロージングまで上手く進むかどうかはこのヒアリングの出来に掛かっているといえるのです。

 

ヒアリングはなぜ重要か?

では、なぜヒアリングはこれ程までに重要と言い切れるのでしょうか?

ヒアリングを日本語に直訳すると相手の話を聞くことです。ではその言葉通り、ただ相手の話を聞いていればいいのでしょうか・・・?

当然それでは上手くいきません。

ヒアリングでは相手の話を聞きつつ、相手の質問への回答やこちらからの提案、さらにはこちらから意味のある質問(そこからの提案)をしていくことが求められます。

商談に応じてくださった相手は、皆さまの旧知の友人という訳でありません。

当然、相手はこちらに気を遣ってわざわざ会話を盛り上げてくれるようなことはなく、淡々と話をしているだけでは会話は盛り上がらずに直ぐに終わってしまうことも多くあります。そのような商談であれば現状の課題や悩みを打ち明ける状態にもなりません。

初回商談の相手は(特にテレアポのようなプッシュ型営業の場合には特にですが)、こちらから会話を盛り上げて、相手に現状の課題や悩みを打ち明けてもらえる状態に持っていく必要があるのです。

そして、この商談が盛り上がるかどうかはヒアリングが上手くできるかに掛かっているのです。ヒアリングを感覚ではなく技術として捉えていると、意図して商談を盛り上げることができるようになります。ヒアリングを技術として使いこなせるかどうかがで初回商談が成功するか否かを左右すること直結しているといっても間違いはないと思います。

 

商談が全然盛り上がらない・・・。それヒアリングではなく尋問になっていませんか!?

ではヒアリングが上手くできていない商談はどういった状態になってしまうのでしょうか?実際に私どものお客様でヒアリングを上手くできていなかった会社様の事例を紹介していきたいと思います。

商談時のヒアリング失敗事例1  ~一方的な質問ばかりしている~

【クライアント情報】

企業名:株式会社A社

業種:システム販売会社

アプローチ内容:在庫システム販売を行っている会社。販売業、製造業等の企業をターゲットに企業内のシステムについて提案していく。

【ターゲット】

業種:製造業・販売業・サービス業

規模感:従業員数50名以上300名以下

エリア:愛知県

【営業代行サービスでの課題】

株式会社A社は、今まで知り合いからの紹介で全ての新規取引先を拡大してきた会社でした。少人数でやっている会社のため今まではそれ以上の営業を必要としていなかったのですが、徐々に既存取引先からの仕事量が減ってきたことと、紹介は件数が安定しないこともあり、今後は新規開拓営業を行っていくことを考えていました。

そこで株式会社A社では、営業代行を使った新規営業を実施することでエリア内の製造業、サービス業、小売業等の在庫を扱うサービスを提供している企業に対してアプローチを行い、在庫管理に課題を持っている企業との商談を獲っていくことにしました。

営業代行の電話のなかでは在庫管理に関するトークを使い、在庫管理に関する課題を聞き出しています。そこで株式会社A社は商談に行った時には在庫管理に関する課題を中心にヒアリングをするようにしていました。

現状で在庫管理に関する課題はありますか? 在庫管理は現在どのようにやっていますか? 在庫管理のシステムは既に入れていますか? などなど。商談相手の在庫管理状況について事細かに聞き出すようにように心掛けていました。

株式会社A社の担当者は非常に熱心な方です。現状の在庫管理の状況を漏れなくヒアリングすることで最適な提案ができると考え、商談相手の現状を詳細まで把握しようとしています。

しかし、こちらの考えとは裏腹に営業代行で新規訪問する企業の相手担当者は社内の現状を詳細まで教えてくれようとはしません。

詳細まで教えてくれないと最適な提案ができないですよ! 株式会社A社の担当者はこのような憤りを感じていました。

【ヒアリングが上手くいかない要因】

株式会社A社はなぜヒアリングが上手くいかないのでしょうか?

上記のようなスト―リーを文章で書くと分かる方も多いかと思いますが、新規商談に応じた相手は初回商談の時点ではこちらのことをまだ信用していない状態にあります。そのような状態で一方的に相手企業の現状を質問したとしても答えてくれなくて当然と言えます。

相手の現状を漏らすことなく聞き出して、そこから最適な提案をしようとする株式会社A社の担当者の考え方はあっています。

しかし、ヒアリングは尋問とは違うのです。質問すれば当然のように答えが返ってくる訳でありません。

相手が答えたくないと思えば社内事情を答えてくれないことも当然ですし、情報を限定的にしか教えてくれないことも多くあります。ヒアリングとは、一方的に質問をするのではなく、商談相手に如何に気分よく自社の課題を話してもらうかのテクニックであるとも言えます。このことを理解せずにヒアリングをしていくことで気が付かないうちに尋問になってしまっているケースもよくあるのです。

 

商談時のヒアリング失敗事例2  ~フィーリングが合えば商談が盛り上がる!?~

【クライアント情報】

企業名:株式会社B社

業種:ホームページ制作業

アプローチ内容:病院やクリニックを中心に看護師の採用専門ホームページを制作している会社。病院内の写真撮影から採用のコンバージョンが上がるための原稿・デザイン提案まで全て自社で行っており、コストを抑えながらも高品質な制作を得意としている。。

【ターゲット】

業種:病院・クリニック

規模:10床以上

エリア:東京都・埼玉県

【営業代行サービスでの課題】

株式会社Bは、今まで自社ホームページに問い合わせがあった病院やクリニックを対象に採用専用サイトの開設サービスを展開してきました。少人数でやっている会社のため1つ1つの案件に時間を掛けて取り組むことを得意としており、採用ページに関わる写真撮影やWEBデザインなど細部まで自社で一貫して手掛けることで高品質かつ低価格のサービスを行ってきました。

株式会社B社は今まで新規取引を開始する時には、相手企業の担当者とフィーリングが合うかを重要視してきました。相手担当者と話をした時にどれだけ合うかのフィーリングを重視してきたのです

当然、営業代行を使った新規アポイントであっても相手とのフィーリングを重視するようにしてきました。商談に行って相手との会話が盛り上がればフィーリングが合っているし、あまり盛り上がらなければフィーリングが合っていないとしてアポイント内容を判断してきました。

フィーリングが合って商談が盛り上がる相手は確かに存在します。その時には相手の悩みや課題を聴くこともできています。しかし、全体数から見ると訪問した商談の8割以上でフィーリングが合わずに会話が盛り上がらない状況になってしまっていました。

フィーリングが合えば上手く話せるのに合わない方が多いんだよな。問い合わせからの商談の時はもっと盛り上がることが多かったはずなのにな・・・。株式会社B社ではこのようなことを課題に考えていました。

【ヒアリングが上手くいかない要因】

新規商談は商談相手との相性が合えば上手く盛り上がる。

程度は違えどこのような感覚をお持ちの方はいらっしゃるのではないでしょうか?

新規商談の盛り上がりは相手とのフィーリングで決まると言っていた株式会社B社もこのような感覚を強く持っていました。たしかに相手とのフィーリングも重要な要素かもしれません。ただ、それはあくまで問い合わせやご紹介などもプル型営業で商談になっている場合に重視すべき要素なのではないかと思います。

営業代行を使ったプッシュ型営業の場合には相手はこちらのことを警戒していることが当然の状態といえます。そのような状態でヒアリングをフィーリングなどの感覚的なもので捉えていたのは、商談が盛り上がるかどうかを運任せにしてしまっているといえます。

たしかに感覚的なフィーリングは重要な要素かもしれませんが、新規商談が盛り上がらないことに課題を感じる方であれば、ヒアリングを感覚的なものではなく技術的なものとして捉えていく必要があります。ヒアリングはフィーリングではなく技術なのです。

 

話を聞くだけではありません!効果的なヒアリングとは!?

このようにヒアリングが上手くできていないことで商談が盛り上がらない事例がある一方で、ヒアリングを技術的なものとして捉えて上手く商談を盛り上げている事例も数多くあります。ヒアリングが盛り上がるかどうかを会話の得手不得手で捉える方も多いのですが、法人の初回営業でのヒアリングでは会話が上手であることよりも、ヒアリングのやり方を分かっていることが重要になります。ここではヒアリングを技術的に上手く使うことで初回商談を成功している企業様の事例を紹介していきたいと思います。

商談時のヒアリング成功事例1  ~商談相手の話を本気で聴くように心掛けた~

【クライアント情報】

企業名:株式会社C社

業種:広告制作会社

アプローチ内容:広告やチラシやWEBなどの販売促進関係全般を扱っている広告制作会社。エリア内の製造業・サービス業に対して新規アプローチをしていく。

【ターゲット】

業種:製造業・サービス業

規模:30名以上

エリア:大阪府

【営業代行サービスでの課題】

株式会社C社は製造業やサービス業に対して広告やチラシなどの広告物の提案で新規営業をしていました。企業内で使うパンフレットやダイレクトメールについて企画やデザイン提案を中心に新規アプローチを行っていたのです。この会社では既存顧客からの仕事がメインではあったのですが年々仕事量が減少していた状況もあり営業代行を使った新規開拓アプローチを行っていくことにしました。

株式会社C社では今まで新規営業を行ったことがなく、営業を始めた当初は相手に対して一方的な質問ばかりしてしまうヒアリングが多くなっていました。しかし、それでは会話が盛り上がらないことも多くあります。そこで株式会社C社では質問項目を前もって決めた事務的なヒアリングではなく、商談相手の話を聞いて純粋に気になったことを更に深堀して聴いていく、いわゆる傾聴を意識したヒアリングを行うようにしていったのです。

【ヒアリングが上手くいった要因】

傾聴を意識したヒアリングを行うことは、商談相手が言っていることをもっと深く理解しようという気持ちに繋がっていきます。今まで単純に聞いていた質問事項ではなく、相手の状況や業界の流れをより詳しく聴こうという姿勢になるのです。

当然、人は誰でもそうだと思いますが、自分の話を真剣に聴いてくれる人に話をしたくなります。又、こちらの話を真剣に聴いた上で出てくる質問に対しては積極的に教えてあげたくもなります。株式会社C社ではヒアリング時に意識して傾聴を行うことで商談相手が自社の悩みを話してくれやすくなる環境をつくっていったのです。

このようなこと書くと、誰でもヒアリングの時は真剣に聴いているよ!と思われる方がいるかもしれません。相手の話を真剣に聴くなんて特別なことではないと言われることもよくあるのです。

では、そういった皆さまにお尋ねしたいのですが、商談前に相手の業界やサービスのことまで可能な限り深く理解して商談に挑むことができていますか?

このように聴くと尻込みしてしまう方も多いかと思います。

傾聴をするということは商談当日に相手の話を真剣に聴くだけではなく、そこに至るまでの事前準備の時点でも相手のことを深く知ろうと準備をできている状態を指します。

商談前から相手の業界やサービス理解を深めておき、商談に対する具体的なイメージを膨らませた上で商談相手の話を聴きながら質問していく。このような姿勢で話を聴いて初めて傾聴ができている状態といえるのです。

株式会社C社では、この傾聴の考え方を取り入れたことでヒアリングが上手くいくようになっていきました。

 

商談時のヒアリング成功事例2  ~「回答」だけではなく「提案」をしていく~

【クライアント情報】

企業名:株式会社D社

業種:土木工事業

アプローチ内容:企業の床工事や駐車場工事などの土木工事を扱っている会社。建設会社ではなく一般企業(主に工場)などにアプローチを行い、床メンテナンス工事などの際に使ってもらえるようなアプローチをしていく。

【ターゲット】

業種:工場

規模:20名~500名

エリア:三重県

【営業代行サービスでの課題】

株式会社D社は、一般企業の床工事やコンクリート工事、駐車場のアスファルト工事など工場に関わる土木工事を幅広く扱っている会社です。通常は建設会社からの下請け工事が多いのですが、今よりも利益率の良い仕事を増やしていくために工場向けに新規開拓営業をしています。

新規営業を開始した当初、この会社の悩みもヒアリングの部分にありました。営業代行を使ったアプローチを行うことで新規アポイントは獲れているのですが、その後のヒアリングが全く盛り上がらなかったのです。その結果、自社の会社紹介を含め一通りの話が終わったら、それ以上に商談が盛り上がることともなく、また機会があったらお願いします。といって商談が終わってしまうことが多くなってしまっていました。

【ヒアリングが上手くいった要因】

株式会社D社は弊社(アイランド・ブレイン)からアドバイスをさせていただき、「回答」と「提案」の違いを意識したヒアリングを行ってもらうようにしました。

こちらから一方的に質問をすること(失敗事例1で挙げたような尋問になっているケース)や、相手からの質問にただ答えているだけ(質問されたことの回答をしているだけ)では商談が盛り上がらなくて当然といえます。

商談で考えると分かりにくいと思いますので日常会話でもいいのですが、言われたことに返答をしているだけの会話では盛り上がりに欠けることは容易に想像できるかと思います。

会話を盛り上げるためには何が必要かというと、会話のなかに「提案」を入れていくことです。こちらから会話をする時に提案をしていく。相手がこちらの質問に答えてくれたらそれに対して提案をしていく。相手からの質問があれば回答しつつ提案していく。提案についての詳細は後述しますが、この提案をすることを意識したことで株式会社D社の商談は劇的に変わって盛り上がるようになっていきました。

 

ヒアリングを成功させるためには

ヒアリングを成功させるためにはいくつかのポイントがあります。単純に会話が上手いだけでは意味がなく、ヒアリングを的確に行うことで商談を盛り上げていき相手に現状の課題や悩みを打ち明けてもらうようにしていくことが必要になります。先述した「提案すること」もその1つですが、ここからは私どもが提唱するヒアリング技術のノウハウをお伝えしていきたいと思います。

相手に話をしてもらうことが基本

ヒアリングは単純な聞き取りではないと述べましたが、成功事例1でも紹介した通り、相手の話を深いところで理解するように聴くことがヒアリングの基本といえます。先述の事例では傾聴という言葉を使いましたが、相手の話を如何にして多く聴くことができるかがポイントになってきます。

さて、ここで皆様に1つ考えていただきたいのですが、商談(ヒアリング)において相手と自分ではどちらの方が多く話をしているでしょうか?

自己紹介の部分では当然こちらが多く話している状態にあります。それでは、自己紹介後のヒアリングではどちらが多いでしょうか?

もしここで、あきらかに自分の方が多いかも・・・。と答えられる方がいるのであれば、それはおそらくヒアリングが上手くできていない状況にあるといえます。

ヒアリングの基本は相手に喋ってもらうことになります。ただ、何もないなかで相手に話をしてもらおうと思っても会話が出てこないため(警戒して本当のことを言わないため)、こちらから傾聴や提案をすることを行っていくことになります。しかし、それはあくまで相手に話をしてもらうための呼び水としての要素であるため、商談相手より明らかに自分の方が多く話している状況などは生まれようがないといえます。(「明らかに自分の方が多く話している状態」と抽象的な表現になってしまいますが、私の感覚的にはどんなに自分の方が多く話していたといても相手4割、自分6割を超えてくると話し過ぎの状態といえるかと思います。)

当然、こちらも自社の強みなどを提案していかなければならないため、こちら側の会話量が少ないことが一概に良いとはいえません。しっかりとこちらからの提案をしていくことが求められます。しかし、ヒアリングを正しい形で行っているのであれば、自分ばかりが話していて相手の話を聞く機会が少ない。という状況は基本的にはあり得なく、もしご自身の商談がそういった状態になってしまっているのであれば、この機会に改めて考えてみることをお勧め致します。

 

ヒアリングのなかで提案をしていく

そして、2つめのポイントは先程から何度も登場している「提案」を行っていくことになります。

提案と当たり前のように何度も使っていますが、提案とは何なのでしょうか?

 

提案の要素となるものは以下の3つに大別できます。

①他社と比較した強み・特徴

②相手に与えられるメリット・効果

③(同業他社で)それを実現した事例・実績

 

例えば、SEO対策に特化したWEB制作会社が、商談のなかで自社のSEO対策の特徴や他社サービスよりも優れている点を伝えることは①の提案をしているといえます。又、SEO対策を行うことでWEBページの問い合わせ数がどれだけ向上するか伝えることは②の提案をしているといえます。そして今までに同業他社で実際に効果があった事例や実績を伝えることは③の提案をしていることになります。

このように提案とは商談のなかで、①他社と比較した強み・特徴、②相手に与えられるメリット・効果、③(同業他社で)それを実現した事例・実績 を的確に相手に訴えていくことを指します。

では商談(ヒアリング)では、全ての会話でこの提案を常に行っていればいいのでしょうか?当然そういった訳ではありません。

提案のポイントは、自社の提案要素(上記の①~③)を漏らすことなく理解した上で、相手との会話のなかで適切な提案を打ち出していくことになります。

自社の強みだといっても相手が聞いていないタイミングでその強みを伝えていたのでは相手の共感を得ることは難しくなります。又、相手から質問があった時にその回答をせずに無関係な自社の強みだけを伝えていたとしたら相手はむしろ不快に感じるかと思います。このような状態は一見提案をしているようですが、実際には的確な提案が全くできていない状態といえます。提案は相手が共感・納得してくれて初めて効果があるのです。

つまり提案を行っていくとは、自社の提案要素を漏れなく理解した上で、会話のなかでどうすれば相手に共感・同意してもらえるかを常に考えて、適切な提案要素を打ち出していくことになります。この提案を正しく行うことができか否かで商談が盛り上がるかどうかが大きく変わってくるのです。

 

提案の要素は全て把握していますか?

このように提案は新規開拓営業では非常に重要な要素を占めています。

ここで提案についてもう1つだけ補足で説明をしたいと思います。

提案がとても大切なことは理解できると思うのですが、重要な考え方として、その提案として使える要素(自社の強み)をどれだけ営業担当者が把握できているか?ということです。

自社の強みや、相手に与えるメリット・効果は、営業担当者によって異なった解釈をしている場合も多くあります。ある人は強みだと思っていた要素でも、他の人はそれを強みとして気が付いていないということもあるのです。又、今までの実績や事例も各営業担当者が属人的に持ってしまっており全体に共有されていないケースなどもあります。当然、会社について一番詳しいのは社長になるのですが、思いの外この強みというものは把握できていないことも多いのです。

ではこの提案要素はどうすれば見つけることができるのでしょうか?

本を読んで学ぶ? インターネットで検索する? セミナーで学習する・・・?

いいえ。自社の提案要素はもっと身近なところにあります。

自社の提案要素は全て自社のなかにあるのです。

①他社と比較した強み・特徴、②相手に与えられるメリット・効果、③(同業他社で)それを実現した事例・実績 は全て社内のどこかに記録されているか、社内の誰かの頭の中にあります。わざわざお金を払って本やセミナーを買わずとも、先輩社員や上司、もしくわ会社について最も詳しい社長に聞くことで教えてもらうことができるのです。

ちなみに、自社の強みについて社内で共通認識を持つために最も効果的な方法は、常にこういった自社の強みについて考える習慣を持つようにすることと、それを全員で共有する時間を定期的に設けることです。定期的に集まって強みについての会議をする、LINEなどのグループで意見交換を行う場を作る、などなど。方法は様々ではありますが、自社の提案材料を十分に理解しておくことが重要になるのです。

 

他社との違いを提案する

提案のなかに含まれる話ではありますが、新規商談のヒアリングをしていく上で他社との違いを訴えいくことは必須といえます。

御社の提供するサービスについて、御社が唯一無二の提供者であり世の中にある御社以外の提供者が存在していないサービスなのであればそれ自体が差別化になるのですが、通常はそんなことはあり得ないと思います。皆さまの話を聞いている相手は似たようなサービスを今までにも聞いたことはありますし、今回の話を聞いて新たに何社か話を聞いてみようと思うことが通常といえます。そのため他社と同じような話をしていたのでは自社を選んでもらうことは当然難しく、商談のなかで他社にはない強みやメリットを提案していくことが必要になるのです。

他社にはない強みの提案をしていく必要がある。

当然と言えば当然の話ですね。でもこれが難しいと思われていることも多くあります。他社にはない提案といわれると、そんなものはウチにはない。と言われてしまう会社様も多いのです。

ただ、皆さま考えてみてください。

他社よりも優れている強みなんてない。と言われますが、実際には他社の状況をどれだけ正確に知っていますか?又、通常は商圏エリアが限られていること考えると、自社と競合する可能性がある会社は皆さまの商圏内にどれだけあると思いますか?

他社との違いを考える第一歩は、まず競合対象になる他社について詳しくなるところから始まります。そしてそれらの会社がどういったサービスを扱っているか出来る限り把握するようにしてください。その上で前述した自社の強みと掛け合わせることで、他社とは違う自社の強みとなるべき要素を考えていくことができるのです。

このようにして考えた(他社とは違う)自社の強みをヒアリングのなかで提案するようにしていくことで効果的なヒアリングを行っていくことができるのです。

 

商談は自社のなかで改善していける!?

ここまで紹介したようにヒアリングはただの聞き取りではなく相手との会話も盛り上げるための商談技術です。今回のブログを読むことでヒアリングに対する認識が変わった方もいるのではないかと思います。

さて、今回のブログの最後に私どもからお伝えしたいこととしては、是非今回のブログを見ていただき、「商談は自社のなかで改善できるもの」として捉えていただきたいと思っています。

商談の成功のためにはヒアリングの成功が鍵となります。そして今回のブログで紹介したようにヒアリングは感覚的なものではなく技術によって成り立っているものです。自社や他社の分析を行い、提案要素を洗い出し、会話のなかで的確にその提案を打ち出していくことが重要になります。

そしてその提案要素は、他社と比較した強み・特徴、相手に与えられるメリット・効果、(同業他社で)それを実現した事例・実績が基本となります。これらはどこにあるのでしょうか?そうです。全て自社のなかにあります。

つまり、提案は全て自社のなかで準備・学習できるものなのです。

そして、自社のなかにあるということは改善する意識さえあればどれだけでも能動的に学びにいくことができるということです。

商談の向上は意識1つで大きく改善するものなのです。

商談を上手くなりたいと思っている方は是非この考え方を覚えておいて下さい。

 

まとめ

前回ブログで取り上げた「自己紹介」に続き、今回も「ヒアリング」という商談当日のポイントを紹介させていただきました。今まで新規商談に行くけれど盛り上がらなかった方は是非今回の内容を試してみていただければと思います。

今回紹介したようにヒアリングは主には商談当日の技術に関する内容です。しかし、成功事例1でも紹介したように事前準備もまた重要なヒアリング要素となってきます。

是非皆さまが、今回のブログを通じて、商談当日の技術としてだけではなく、事前準備や商談に対する考え方まで含めたものとして使いこなしていけるようになることを祈っています。

 

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