前回の当社ブログではアポイント訪問後の短期見込み客フォローについて紹介してきました。短期見込み客フォローとは、アポイント訪問後に次の具体的なアクションが決まっている状態のフォローを指します。(例えば、〇日までに見積もり提出をする、来週末に確認電話をする などが挙げられます。)
前回は短期見込み客フォローのノウハウや事例を紹介しましたが、今回は「短期見込み客」ではなく、次のアクションが明確には決まっていない「長期見込み客」のフォローについてノウハウや事例を紹介していきたいと思います。
訪問したアポイントがそのまま放置されてしまっている・・・。
過去に訪問した企業からも受注を増やしていきたい・・・。
名刺だけはたくさんあるけどそれらを活用できていない・・・。
このようなことに課題に感じる方であれば見込み客フォローを実施することで受注に繋がる可能性があります。
是非今回のブログをご参考にしていただければと思います。
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長期見込みになったアポイントを放置していませんか?
今回のブログでは、長期見込み客フォローについてご紹介していきたいと思いますが、ここで改めて長期見込み客フォローの定義について確認しておきたいと思います。
長期見込み客フォローは、
●商談をしたけれど具体的な導入の話には進展していない企業
●(交流会などで)過去に名刺交換はしているがその後の商談には至っていない企業
●過去に取引はあったが直近での取引はなく休眠状態になっている企業
のなかで少しでも見込みがあると思われる企業に対して、継続的なフォローを行っていくことで新規の取引先や商談機会を拡大していくことになります。
※正確な表現をすれば3つ目の過去に取引はあったが休眠状態になっている企業は、既存顧客の掘り起こしの分野となるため、アポイント訪問後の見込み客フォローとは異なってきます。但し、このような状態の企業は既存顧客の中でも「休眠顧客」として呼ばれることが多く、長期見込み客と同じ性質を持っている場合が多いため、今回の見込み客フォローのノウハウを活用することができる分野となります。
なお、ここで1つご注意いただきたいこととしては、上記に該当する全ての企業に見込み客フォローの必要があるかというと必ずしもそうではないということです。
過去に訪問済の企業であっても全く見込みのない企業もいると思います。又、交流会などで名刺交換した相手のなかにはサービス対象外の企業もいると思います。このようなフォローをしても受注になる可能性がない企業については当然見込み客フォローの対象外となります。
しかし、例えば「今はなくてもいつか契約になるかもしれない」や「状況が整い発注してもらえるなら仕事をしたい」と少しでも思うのであれば、これらはすべて長期見込み客になります。こういった企業は商談時に受注がなかったとしても後々に受注に繋がる可能性が大いにあるといえます。
見込み客フォローの対象とするかどうかは企業様によって判断が異なりますが、いずれにしろ新規開拓営業を継続されている会社にとっては避けては通れない分野ですので、契約に繋がる可能性が少しでもある相手に対しては、是非積極的に取り組んでみていただければと思います。
アポイント訪問後の状況
新規アポイントに訪問した場合、商談後の状況はおおよそ3つに大別されます。
・商談したその場で契約を進める話になり、具体的なサービス内容(契約内容)を決めていくことになった(商談時に受注)
・「具体的な見積もり依頼を受けたので〇日までに見積もり提出をする」、「○日まで社内検討すると言われたので〇日に再度確認連絡をする」など、具体的な次の行動や期日が決まっている状態(短期見込み客)
・話は聞いてくれて検討すると言われたが直ぐには具体的な話にならなかった(長期見込み客)
1つ目の商談時に受注になった場合や、2つ目の具体的な次回アクションが決まっている(短期見込み客)の場合は、おそらくあまり悩むことなく次の行動を取ることができるかと思います。
受注になるのであれば当然サービス詳細や契約の話を進めると思いますし、次の具体的な行動や期日が決まっているのであれば、その行動を期日通りに漏れなく行っていくことになるので、どうしたらいいか悩むことは少ないかと思います。(もしこれらの行動が漏れてしまうことに課題があるようであれば前回の当社ブログを参考にしていただければと思います。URL:https://www.islandbrain.co.jp/blog/tankimikomikyakunooikata/)
では、3つ目の商談後に直ぐに契約に進展しなかったアポイントについてはどうでしょうか?
これは人によって対応が異なってくると思います。
長期見込みとなった企業については、私どものお客様を見ていてもそのままフォローできずに放置していることも非常に多くあります。これは長期見込み客フォローに労力が掛かることや、長期見込み客フォローが短期見込み客フォローと比べて成果が見えづらく結果予測もしづらいことが理由として挙げられます。
成果に繋がらないから長期見込み客フォローはしない・・。
このような理由で即契約に繋がる短期見込み客以外はフォローしないといった考え方を持っている企業様も多くいらっしゃるのです。
その感覚を持たれることは間違っていないと思います。
全く対象外の企業であれば当然フォローしても受注に綱がることはないため見込み客フォローの必要性はありません。しかし、「いつか契約になるかもしれない」、「状況が整えば仕事をしたい」と少しでも思う企業であれば、フォローすることで受注に繋がる可能性はあることも事実です。
長期見込み客フォローは手間が掛かるため短期見込みとなる商談だけを増やしていければ理想的です。ただ実際には新規開拓営業を行っていくなかで長期見込み客を避けて新規商談を増やしていくことはできません。商談をすると、最も多く生まれるのがこの長期見込み客だからです。長期見込みとなる商談を全て捨てながら営業活動を続けていたのでは必ずどこかで行き詰ってしまうのです。
短期見込みと長期見込みのどちら多い?
それでは皆さまにもう1つ考えていただきたいのですが、新規商談に行った結果、短期見込み客と長期見込み客ではどちらになるケースが多いでしょうか?
これはご訪問される方の営業スキルや、アプローチ手段、商材内容にも影響を受けると思います。
ご紹介やお問い合わせから取得した商談(プル型営業で取得した商談)であれば短期見込み客になることが多くあります。これは相手から声が掛かりアポイントになっている商談のため、商談時に時期や予算が明確になっていることも多く成約率も高くなるためです。
ただ、これが営業代行を使ったテレアポで取得した商談(プッシュ型営業で取得した商談)であれば結果が異なってきます。テレアポの場合はこちらから依頼してアポイントを取得していくため、先方に具体的な時期や予算が決まっていないことも多く、商談時に即決ができないことも多くなります。そのため長期見込み客になることが多くなるのです。
又、商材の観点で考えると、導入価格が高い商材や経営の根幹に関わる商材であるほど商談時に直ぐの受注に繋がる確率が低くなります。
その価格だと予算が取れない・・・。その価格だと決定権がない・・・。その内容だと使っている業者を切り替える訳にはいかない・・・。など予算確保や稟議が必要になる内容であれば新規取引を開始するまでの期間が長くなるのです。
長期見込み客にはニーズがない?
では、このような長期見込みになった企業は今後も皆さまのサービスを利用することはないのでしょうか?
いえ。決してそんなことはありません。
商談時にはたまたまニーズがなかったり、導入が進められなかった企業であっても、時期や状態が変わればニーズが出てくることはよくあることです。
商談時にニーズがなかったからといって、その会社がターゲットから外れる訳ではないのです。
営業代行のようなプッシュ型営業で取得した商談の場合は特にですが、短期見込み客の商談だけをフォローにしていたのでは、せっかく訪問したアポイントの大半をみすみす捨てていることになります。長期見込み客もターゲットであるということを理解して、長期見込み客へのフォローを継続して行っていくことが営業代行からの商談成約率を高めていく鍵を握っていると言えるのです。
短期見込みフォローだけでは限界がある!?
長期見込み客フォローを全くしていない企業様の場合、どのような問題が発生するのでしょうか?実際に私どものお客様で長期見込み客フォローを行っていないことで問題が発生している企業様の事例を紹介していきたいと思います。
長期見込み客フォローの失敗事例1 ~いつの間にか他社に頼まれている~
【クライアント情報】
企業名:株式会社A社
業種:建築塗装業
アプローチ内容:工場や倉庫などの一般企業に対して外壁塗装工事のアプローチをしていく
【ターゲット】
業種:製造業・工場・倉庫
規模感:従業員数50名以上300名以下
エリア:愛知県
【営業代行サービスでの課題】
株式会社A社は、一般企業の外壁工事やリフォーム工事を扱っている会社です。今までは知り合いからのご紹介や建設会社からの下請け工事が多かったのですが、今よりも利益率の良い仕事を増やしていくために工場や倉庫向けに新規開拓営業をしています。
株式会社A社ではご紹介からの仕事が多かったこともあり、今まで見込み客フォローを行ったことがありませんでした。
商談に行って相手にニーズがあればその場で具体的な見積もりの話をするし、直ぐにニーズがないのであればまた必要になったタイミングで声を掛けてもらうようにしていました。ご紹介からの商談の場合には直ぐのニーズがなかったとしても待っていれば必要が出てきた時に声が掛かることが大半だったのです。
株式会社A社では営業代行を使った新規営業でもこのような感覚で商談を行っていました。工場への新規営業は慣れていないこともあり則受注になることは多くなかったのですが、ニーズが出たら相手から声が掛かるだろうと考え、特にフォローをすることもなく新規営業を継続して行っていました。
しかし、1年近く新規営業を継続していても過去に行った企業から受注に繋がる話は出てきません。又、あろうことか、たまたま新規営業で訪問した企業の前を通った時に外装工事が進んでいる状態になっていたのです。
外装工事の必要が出てきたら声を掛けるって言っていたのに・・・。株式会社A社の営業担当者はこの状況に頭を悩ませていました。
【新規営業が上手くいかない理由】
株式会社A社は、この工場で外壁工事のニーズが出てきた時には自分に声が掛かると思っていました。実際に商談に行った時の反応としては悪くなく相手企業の担当者も声を掛けると言ってくれていました。しかし、外壁工事が発生しているにも関わらず株式会社A社には全く声が掛からなかったのです。これはなぜでしょうか?
皆さまも逆の立場になって考えれば分かると思いますが、株式会社A社のように外壁塗装工事を扱っており工場への新規営業を行っている企業は数多くあります。相手企業の担当者からすると外壁塗装工事の新規提案を受ける機会は株式会社A社以外にもたくさんあるのです。
ご紹介からの商談の場合には、こちらのことを気に掛けてくれるので他社の提案を聞いていたとしても最終的には自社に声が掛かります。しかし、他と同じ新規業者という立場で商談になっている場合、相手企業からすれば株式会社A社に頼む義理が全くなくなってしまうのです。そのため直近で提案に行った業者や、より良い提案をした業者に仕事を取られてしまうことになるのです。ご紹介と違って新規商談の特性を十分に理解していなかったことが株式会社A社の敗因と言えますね。
長期見込み客フォローの失敗事例2 ~ターゲット先が枯渇している~
【クライアント情報】
企業名:株式会社B社
業種:印刷業
アプローチ内容:マニュアルや取扱説明書などの冊子印刷を行っている会社。機械メーカーや学校をターゲットとして、機械の取扱説明書や参考書の印刷が発生した時に落丁の無い高品質な印刷ができることを強みに提案を行っていった
【ターゲット】
業種:機械メーカー、学校
規模:大手、私立学校
エリア:大阪府
【営業代行サービスでの課題】
株式会社Bは、大阪府で印刷業を長年営んできた会社です。メインの取引先は学校(特に大学)が多く、今まで学校で使う参考書や研究書の印刷を行ってきました。しかし、それらの顧客からの印刷の仕事が年々減少している傾向にあったため、営業代行を使った新規開拓営業を行っていくことになりました。
株式会社B社のターゲットは、学校(私立大学)、大手メーカーを想定していました。セールスプロモーションなどのデザイン性が求められる仕事は得意ではなかったため、大量の印刷が発生する職種で参考書や取扱説明書などで落丁のない印刷物を納品することを強みとして営業を行っていました。(正確にはこれら以外の業種でも印刷業務が発生することはあるのですが、株式会社B社の希望でターゲット業種を私立大学、大手メーカーに絞っていました。)
営業代行を開始した当初はアポイント提供も滞りなく行えており、商談もスムーズに行うことができていました。参考書や取扱説明書は長年行ってきたこともあり他社に負けない強みを提案することができていました。
しかし、印刷業の仕事は日常的に発生するものでもなく、タイミングが合わないと依頼がくることはありません。又、これらのターゲット業種は対象企業が無限にある訳でないため、営業代行を半年も続けたところで対象先が枯渇してきてしまったのです。
まだ受注にもなっていないし、ターゲット先も減ってきてしまった。でも他の業種へ営業しても上手く提案ができない・・・。どうすればいいのだろうか・・・?
株式会社B社ではこのような悩みを抱えていました。
【新規営業が上手くいかない理由】
株式会社B社の場合、得意業種にターゲット先を限定していたこともあり営業対象先となる企業数がかなり限定された状態で営業活動をスタートしていました。開始当初はリスト先があるのでいいのですが、時間が経てば経つほど対象先は枯渇してきてしまいます。
このように対象先が限定されている場合の新規開拓営業は、新規アポイントだけで受注を狙っているとターゲット先が直ぐに枯渇してきてしまうことが発生してきます。そのため新規アポイントからの受注だけではなく、訪問先に対する見込み客フォローを行うことで受注を増やしていく施策が必要になるのです。
株式会社B社の場合も、新規アポイントでの受注だけではなく一度訪問した企業からの受注を増やしていくための取り組みが必要だったと言えます。
長期見込み客フォローから受注をする!?
このように長期見込み客フォローができていないことで営業活動が上手くいかない事例がある一方で、見込み客フォローを行うことで新規受注に繋げている企業の事例も数多くあります。本来、新規開拓営業を継続的に行っていくためには、見込み客フォローはやった方がいいかも。といったものではなく、確実にやらなければいけないものとなります。見込み客フォローを行わなければ、商談時にたまたまニーズがあった企業としか成約ができず、それは市場全体から見ればかなり限定された営業になってしまいます。
ここでは長期見込み客フォローを継続的に使うことで営業が上手くいっている企業様の事例を紹介していきたいと思います。
長期見込み客フォローの成功事例1 ~見込み客フォローの内容と頻度を決めた~
【クライアント情報】
企業名:株式会社C社
業種:金属加工業
アプローチ内容:金属彫刻や金型製作を行っている会社。製造業にアプローチをして彫刻や金型製作案件が発生した際の新規取引として提案を行っていた。
【ターゲット】
業種:製造業
規模:大手以外
エリア:東京都
【営業代行サービスでの課題】
株式会社C社は金型製作や金属彫刻を行っている会社です。金型製作や金属彫刻の業界は製造業であれば必ず必要になってくる仕事ですが、職人が高齢化していることもあり、発注先を増やすことはメーカーからも求められていました。そのため展示会に出展をしたり、営業代行を使った新規営業を行った時の反応はかなり好印象のものとなっていました。
しかし、それらの仕事は日常的に発生する訳ではなく必要性が出てきたら発注をするものになります。
株式会社C社でも展示会で商談をする時や、テレアポからの新規商談時の反応は良かったのですが、結局その後の仕事に繋がっていないことに悩みを抱えていました。
【新規営業が上手くいった理由】
そこで株式会社C社では新規アポイント訪問先に対して見込み客フォローを実施していくことにしました。展示会で名刺交換した企業や新規商談であった企業に対して継続的なフォローを行っていくことにしたのです。
しかし、展示会やテレアポから取得した見込み客は100社を優に超えています。それらに対して1件、1件再訪問することは時間的にできません。そこで株式会社C社では個別フォローすることを辞めて、一律で全企業に対して見込み客フォローを行う頻度を決めていくことにしました。
ニュースレターを使ったフォローを3カ月に1度行う、メルマガ配信を2週間に1度行う、テレアポによるフォローを半年に1度行う、株式会社C社では見込み客フォローについてこのような取り決めをしていったのです。
これにより個別フォローの内容を考える手間がなくなり、最初に決めたフォローを漏れなく行えているか管理していくことで継続的な見込み客フォローができるようになりました。
そしてこの取り組みを行うことで過去に訪問した企業からも受注に繋がる話が増えるようになってきたのです。見込み客フォローの内容と頻度を決めることで継続的な見込み客フォローができた事例と言えますね。
長期見込み客フォローの成功事例2 ~休眠顧客のフォローを行う~
【クライアント情報】
企業名:株式会社D社
業種:ホームページ制作業
アプローチ内容:企業のホームページ制作を提案していくアプローチ。既存サイトの分析や全面リニューアルを提案することで企業がホームページ更新を必要とした時に受注をしていくことを狙っていた。
【ターゲット】
業種:製造業、サービス業
規模:20名~300名
エリア:東海エリア
【営業代行サービスでの課題】
株式会社D社は、一般企業のホームページ制作(リニューアル)で新規営業を行っていました。ホームページの場合、一度リニューアルをしてしまうと少なくとも3年~5年は変更をする機会がなくなるため、株式会社D社では直近1年以内にリニューアル予定がある企業に絞ってアポイント提供をしていました。
そのようななかで新規企業からリニューアルの話を受注することもあります。新規商談についてはこのような営業で上手くいっていたのですが、株式会社D社の課題は、新規営業を行って受注した企業に対して、その後のフォローができていないことにありました。
ホームページは制作から3年~5年経ったタイミングでリニューアルの話が出てくること多くなります。しかし、自社で制作をしたとしても再度自社に声が掛かる保証はありません。むしろ株式会社D社の場合は、再度リニューアルの話があった際には他社に取られてしまうことが多くあったのです。
ホームページは一度リニューアルした場合、次回のリニューアル時期までは予算取りをされなくなります。つまり一度リニューアルした企業は、3~5年はターゲットにならない状態になってしまうのです。又、それが原因でホームページ制作会社も納品後は顧客フォローができていないことが多くありました。その結果、納品後対応の悪さから顧客の満足度は下がり、リニューアル時期になっても自社に声が掛からず、その時に営業に来た新規業者へ依頼されてしまうことが非常に多く発生していたのです。
株式会社D社ではこのような状況を打開したいと考えていました。
【新規営業が上手くいった理由】
アポイントに訪問したがその後フォローできていない企業、過去に契約したが納品後フォローができていない企業(休眠顧客)は、相手の状態は違いますが定期的なフォローができていない状態の企業です。
そこで株式会社D社はアポイント訪問後のフォローと休眠顧客のフォローとして、毎月のメルマガ発信を行うことにしました。現在のホームページ業界の情報や株式会社D社での最新事例などを定期的に発信していくようにしたのです。そして、このメルマガ発信をアポイント訪問済企業と休眠顧客のそれぞれに対して内容を変えて配信していくようにしました。
アポイント訪問済企業はまだ自社とは取引がないため業界情報の自社が提案できるサービスメニューを中心にメルマガを構成しています。それに対して、休眠顧客は納品後フォローやホームページを有効に活用する情報やオプションサービスなどの内容を中心にメルマガを構成するようにしたのです。メルマガの原文は同じであるためそれぞれのメルマガ作成には大して時間は掛かりません。このようなアポイント訪問後フォローと休眠顧客フォローを実施するようにしたのです。
そこから1年、メルマガを見てくれた休眠顧客から実際に問い合わせがくるようになっています。「定期的に連絡をくれるから御社にまた声を掛けた。」このようなお声をいただくこともあるそうです。休眠顧客への見込み客フォローが成功した事例と言えますね。
見込み客フォローを成功させるために
見込み客フォローを成功させるためにはいくつかのポイントがあります。見込み客フォローは1度行っただけでは効果がなく継続的な実施が必要になってきます。ただ、何事もそうですが、継続的な実施というのは言葉で言うのは簡単ですが、実際に行ってみると非常に難しいものです。継続的に実施する目的や効率的なやり方を理解して取り組まなければ継続することはできません。
ここからは私どもが長期的な見込み客フォローについて持っているノウハウをお伝えしていきたいと思います。継続的な見込み客フォローを実施するためのご参考にしていただければと思います。
長期的な見込み客フォローを行う意味を理解する
なぜ長期的な見込み客フォローが重要なのでしょうか?見込み客フォローは労力も時間も要するため、やらなくていいのであればやりたくないのが正直な意見だと思います。しかし、継続的な新規開拓営業を行っていくためには見込み客フォローは必ず必要になってきます。このような見込み客フォローを継続的に行っていくためにまずは見込み客フォローを行うメリットを十分に理解しておく必要があります。
ニーズがいつ発生するか分からない
前述したように営業代行を使ったアプローチ(プッシュ型営業)で獲得した商談は、長期見込み客となる可能性が高いといえます。こちらから商談を依頼して訪問していくため、提供するサービス内容に関心があったとしても直ぐに予算や時期が明確にならないことも多いのです。
しかし、そのような長期見込みになった企業にニーズが全くないかというと決してそんなことはありません。訪問した時はたまたまニーズがなかったかもしれませんが、時期や担当者が変わればニーズも変わってきます。相手企業内で必要性が出てこれば声が掛かる可能性は大いにあります。
ではそのような長期見込みになった企業ですが、実際にニーズが出てきた際には皆さまにお声が掛かるでしょうか?
当然、以前訪問したことを覚えていて声を掛けてくれる会社もあると思います。
しかし、失敗事例1でも紹介したように、1度新規訪問しただけではなにかあった時に他社に頼まれてしまうケースがかなり多いのではないかと思います。
営業代行(テレアポ)の商談は、ご紹介からの商談と違い相手企業はこちらに仕事を依頼する義理はありません。皆さまが過去に営業をしていた会社であっても、ニーズが出てきた際には元々お付き合いがある企業や直近で営業にきた企業に声を掛けてしまうのです。
商談の時にかなり盛り上がったから他社に声は掛けないでしょ・・・?
このように感じられる方もいるかもしれません。
商談時に大いに盛り上がっており、なにかあったら声を掛けるよ。と言ってくれた企業であればニーズが出れば自社に声を掛けるだろうという考えです。
しかし、皆さまが逆の立場で考えてみれば分かると思いますが、何ヶ月も前に一度だけ話した打ち合わせの内容をどれだけ鮮明に覚えているでしょうか?
営業している皆さまは相手企業のことを見込み客として見ているため覚えていると思います。しかし、相手からすればいくつもある打ち合わせのなかの1つであり、何ヶ月も前に一度だけ話した商談内容のことなど、ほとんど覚えていないのが大半になってきます。よほど記憶力の良い方でも1カ月も経ってしまえば一度だけ聞いた商談内容の記憶などは薄れてしまうのではないでしょうか。そのようななかでいざニーズが出てきたとしても皆さまのことを覚えて状態になってしまっているのです。
そして大半の会社は御社に頼らなくても、もともと取引のある会社やそのタイミングでたまたま新規営業にきた会社と繋がりがあります。その結果、御社が過去に新規訪問して営業をしていたとしても、仮にその商談がどれだけ盛り上がっていたとしても、ニーズが発生した時には御社のことを覚えておらず他社に声を掛けてしまうのです。
長期的な見込み客フォローとは、このようないつニーズが発生するか分からない会社に対して、こちらの存在を定期的に示しておくことで相手にこちらの存在を覚えてもらうことを目的としています。自社の存在を相手に覚えておいてもらうことで、ニーズが出てきた時にはこちらに声が掛かるようにしておくのです。
このようなことを目的としていることを理解すれば見込み客フォローに継続性が求められるのもご理解いただけるかと思います。
ターゲットは有限なんです!
営業活動を行う上でまず初めに行っていくことはターゲット選定になります。
(正確には先に商品選定がありますが、営業活動としてはターゲット選定を行うことから始まることになります。)理想的なターゲット選定を行うことでその後の営業手段の構築や商談方法も変わってきますので、営業活動においてターゲット選定を行うこと(ペルソナを考えること)は非常に重要な位置づけとなってきます。
ターゲット選定の考え方は大きな括りですと、ターゲット業種、企業規模(従業員数)、エリア などでセグメントしていくことになります。又、さらに詳しくセグメントをするのであれば、前年売上、前年利益、設立年数、主要取引先 などの情報を基にセグメントしていくことになります。ターゲット選定が間違っていない前提になりますが、より詳細なペルソナを描けば描くほど商談時のニーズが高くなっていくことになります。
しかし1つ問題として、ターゲットを絞れば絞るほど対象となる企業数が少なくなってしまいます。ターゲットを絞り込んだ方がニーズは高まるのですが、対象となる企業母数が少なくなってしまうのです。当然そのような状態で営業をすれば営業先が直ぐに枯渇してきてしまいます。
皆さまのターゲットが無限にあるのであれば新規訪問を続けていけばいいのですが、実際にはターゲットをセグメントしていくと対象企業は必ず有限になってきます。(もし皆さまのターゲット企業が無限に近い状態にあるのであれば、それはペルソナの想定が十分にできていない可能性があると言えます。)そして、有限である以上、新規訪問だけを行っていると必ずどこかでターゲット先が枯渇することが発生してしまうのです。
そのようななかで新規受注を増やしていくためには、新規訪問時だけなく一度訪問した企業からも受注をしていく必要が出てきます。訪問時にはニーズがなかった企業であっても長期的にフォローをしていくことでニーズが出た際には自社に声が掛かるようにしておく必要があるのです。十分なターゲット選定(ペルソナ想定)を行い、継続的な新規開拓営業を行っていく会社であれば、必ず見込み客フォローを実施していく必要があるといえますね。
長期的な見込み客フォローをどのように管理するか?
見込み客フォローの必要性は十分にご理解していただけたかと思います。
では実際に長期的な見込み客フォローはどのように実施していけばいいのでしょうか?
やるべきだと思っているけど実施ができない・・・。このように感じている方もいると思いますので、私たちが実践している継続的な見込み客フォローのノウハウを紹介したいと思います。
定期的訪問でフォローする?
見込み客フォローというと定期的に企業を訪問することをイメージされる方がいます。
いわゆる御用聞き営業というもので、常に相手先に顔を出しておくことで相手にこちらのことを覚えておいてもらうようにする営業です。基本的に呼ばれて訪問している訳ではないため具体的な話に出てくることは少ないのですが、顔を出すことで相手に覚えておいてもらう効果は高いといえます。
しかし、この定期訪問フォローには2つの欠点があります。
まず1つに、対象先が増えてくると訪問時間が確保できなくなることです。
フォローする先が1社や2社であれば間に合うのですが、これが10社や20社になってくると継続して訪問することは時間的に難しくなります。又、当然ですがフォロー以外の仕事もあるため、そちらが忙しくなると次第に定期訪問が実施されなくなってしまいます。その結果、結局フォローできていない状態になってしまうのです。
又、もう1つの理由として、用事がないのに定期訪問されると相手企業も迷惑に感じていることがあるということです。
訪問して話をすれば相手の時間を使うことになります。こちらはそれでいいのですが、相手からすると他の作業ができた時間を奪われたことになります。忙しい時などは特にですが、表情に出ていかったとしても内心では面倒に感じていることは多々あるのです。
このように考えると定期訪問で全ての企業をフォローしていくことはあまり効率的な方法ではないと言えるかと思います。
通信手段でフォローする?
そこで有効になってくるフォローとして通信手段を使ったフォローが挙げられます。
通信手段というと分かりづらいと思いますが、電話や手紙やメールを使ってフォローを実施していく方法です。
テレアポによるフォロー、フォローレターの作成、定期マルマガ配信、ブログ作成、フェイスブックやツイッターなどのSNS、セミナー実施 などが主な手段として挙げられます。
皆さまのなかにも過去に一度会った相手からこのようなフォローを受けたことがある方は多いのではないでしょうか?
通信手段を使ったフォローは手段によってそれぞれ特性がありますが、共通して言えるメリットとしては定期訪問よりも効率よくフォローを実施できることです。しかし、反対に定期訪問よりも相手の印象に残りづらいといったデメリットもあります。手紙やメールが届いてもどんな相手だったか思い出せないことなどは皆さまもご経験あると思います。
又、通信手段でのフォローのなかでも手段によって特性は異なってきます。
例えば、自分宛てに手紙が届けば見るが過去に会った相手からメルマガが届いてもその内容を見ずにゴミ箱に入れてしまうなどはあるのではないかと思います。
このように見込み客フォローといってもその手段によって相手への到達率や要する労力はそれぞれ異なってきます。
どの手段でフォローしていくか?
見込み客フォローは、定期訪問でのフォローもあれば、通信手段を使ったフォローもあり、それぞれ手段によって相手への到達率や要する労力やコストが異なってきます。
では、結局どの手段でフォローしていくことが良いのでしょうか?
当たり前ですが、全ての手段を使ってフォローをしていくことが最も効果的です。
又は、実施できる限り多くの手段を用いてフォローを行っていけばそれだけ効果的な見込み客フォローになります。
ただ、予算や時間制限もある企業活動のなかでは全てを実施することは現実的にはできません。そのため見込み客フォローは、フォロー手段の特性と必要や労力やコストを考えて、どの手段を実施するか取捨選択していく必要が出てきます。
見込み客フォローは手段によってメリット・デメリットがある
そして、見込み客フォローは継続できなければ意味がない
このことを考えてどのような見込み客フォローを実施できるか考えて実施していくことが必要になるのです。
効果的な見込み客フォロー
このようにどのように見込み客フォローを実施するかは、フォロー手段の特性を理解して、継続できるものを選択することになりますが、参考までに私が効果的だと思う見込み客フォローの方法をお伝えさせていただきます。
1つのフォロー手段だけではなく相手の状態に合わせて見込み客フォローの手段を使い分けていくようにしていきます。
例えば、比較的にニーズが高そうな見込み客(短期見込みに近い企業)であれば、定期訪問でのフォローが効果的だと思います。(但し、なにも用事がない状態で訪問しても迷惑になってしまうので、なにか新しいネタを持っていく必要はあります。)このような企業が何十社もあると問題ですが、数社であれば時間的にも可能であるため、相手に覚えておいてもらうために定期的な訪問を実施することは効果があると思います。
そして、定期訪問するほどニーズが高くないが個別フォローする価値があると思う企業については、テレアポや個別メールでのフォローを行ってきます。テレアポや個別メールであれば訪問よりも時間は掛からないですし、メルマガやフォローレターのように一斉配信ではなく個別の対応ができるため、企業ごとのフォローが可能になります。それぞれの企業ごとに具体的なフォローができるため効果も高まると思います。但し、これも数が多くなりすぎると対応できなくなるので注意が必要です。
そしてそれ以外の全ての見込み客に対しては、フォローレターやメルマガ、SNSやセミナーを使った一斉フォローを実施していきます。これは労力を掛けずに多くの企業に対してフォローを実施していくことを目的としています。当然この時には単発ではなく現実的に継続実施できる手段を選択して取り組んでいくことが必要になります。
このような形で1つのフォロー手段だけではなく相手の状態に合わせて見込み客フォローの手段を使い分ける(定期訪問や通信手段フォローも含め手段を使い分ける)ことで、時間を掛けずに効果的な見込み客フォローを実践することができるようになります。
是非、ご参考になれば取り組んでいただければと思います。
継続的な見込み客フォローを行うために
見込み客フォローは「継続すること」がなによりも重要となります。それだけ質の高いフォローを行ったとしても、1回だけ実施したのでは効果が見込めません。継続的な実施をしてこそ初めて効果が出てくるのです。
しかし、この継続することが最も難しいとよく言われます。1回だけならできるけど定期的に継続することはできない。といった意見を言われることが多いのです。
しかし、見込み客フォローは継続しなければ意味がありません。さて、継続はどのように行っていけばいいのでしょうか?ここでは見込み客フォローを継続するためのポイントを紹介したいと思います。
受注が目的ではない
まず理解していただきたいことが、見込み客フォローを行う大前提の考え方として、長期見込み客フォローの目的は受注ではなく「忘れ防止」にあるということです。相手にこちらの存在を覚えておいてもらうために取り組んでいるものになります。
これを忘れて受注することを目的に置いてしまうと実施するハードルが一気に高くなります。そのような状態では実施することに労力が掛かり過ぎるため継続ができないのです。
まずは、見込み客フォローは受注目的ではなく忘れ防止にあることを再認識して取り組んでいただければと思います。
実施する頻度を決める
漠然と見込み客フォローをしようと思っても実施できるものではありません。
どの手段をいつ実施するかを明確に決めておく必要があります。
例えば、テレアポでのフォローを3カ月ごとに必ず実施をする、メルマガを月1回必ず配信する など、実施する手段と頻度を決めて、それを自身のスケジュールのなかに予め組み込んでおく必要があります。(例えば年度初めに1年分の行動予定を立ててしまうなどが効果的です。)
又、スケジュール管理の話ですが、見込み客フォローを漏れなく行う重要なポイントとして、行動予定を細分化してスケジュールに入れておくことがあります。
「ニュースレターを発送する」というスケジュールだけが月末に入っていたとして、実際にニュースレターを期日通りに実施できるでしょうか?結局他の仕事が忙しくて実施できない可能性もあると思います。
そこで「ニュースレターを発送する」ではなく、そのために必要な行動と時間を細分化してスケジュール管理していくことが必要になります。
・ニュースレターの原稿を書く:1時間
・ニュースレターのデザインをつくる:1時間
・宛先リストをつくる:30分
・発送作業を行う:30分
合計所要3時間 のように行動レベルでの予定と時間を決めて、ご自身のスケジュールに入れることが必要になります。
この行動レベルで決めた実施スケジュールを漏れないように管理していくことで継続的なフォローを行うことができるようになるのです。
新しい話題を提供し続ける
定期訪問フォローでも通信手段フォローでも同様ですが、見込み客フォローを行う上でなにも用事がないのに定期的に連絡をしてのでは相手に不快感を与えてしまいます。
そこで見込み客フォローを行う上で重要な要素として、新しい話題を常に提供し続ける必要があります。
新しい話題と言われても思いつかない・・・。と思われる方がいるかもしれません。ただ、見込み客フォローで使える新しい話題を実は意外とたくさん存在しています。
- 新しい商品、新しいサービス
- 自社で取り組んだ新しい事例や実績
- 最新の技術、ノウハウ、考え方、業界動向
このようなものは全て新しい話題として見込み客フォローで活用することができます。
ここでお伝えしておきたい重要なポイントは、新しい話題を提供するといっても、それは相手にとって新しい話題であればいいということです。
まだ提案していないオプションサービス、最新で取り組んだ同業他社での実績、最新の業界ニュースとそれに対する見解 など、実際に新しく話題をつくらなくても活用できる情報はたくさんあるのです。見込み客フォローを行う時には、必ずこれらの新しい話題を持って実施をすることが必要になります。
そうしないと相手からすればただのしつこい営業になってしまう恐れがあります。
この2つのポイントを意識することで継続的な見込み客フォローを実施することができるようになります。
見込み客フォローを行う上で最重要な要素である(又、最大の難関である)「継続する」ことは、このような考え方で克服していっていただければと思います。
まとめ
今回のブログでは前回に続き見込み客フォローの内容を取り上げてきました。今まで実施していなかった方や、必要性は感じていたけど実施していなかった方も是非ご参考にしていただければと思います。繰り返しになりますが、新規開拓営業を行っていく上では見込み客フォローは必ず必要になってくるものです。
取り組んでいない企業様であっても新規開拓営業を継続していく以上、必ずどこかで考えなければいけない時がきます。
そのような時に今回のブログをご活用していただければと思っています。