営業代行サービス提供フレームワークから、サービス提供に必要な能力を記載していきます。ここで記載をする内容は、当然ながら営業代行サービスの提供に直接的に関わる代行メンバーは常に磨かなければいけない内容であると共に、お客様と直接話す機会が多いコンサルタントも質の高い営業代行サービスを提供するためには重要な役割を担っています。
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営業代行サービス提供に求められる能力
1.コール先担当者のニーズ・課題想像力
- 正しいペルソナ作成において必要なものは、コール先知識(マクロ)・コール先知識(ミクロ)・相手担当者のお客様の商品・サービスに対する認識が重要
営業代行サービス提供に求められる能力の1つ目は「コール先担当者のニーズ・課題想像力」です。営業代行サービスはお客様にアポイント提供を行うのですが、ではなぜコール先の企業担当者はそのアポイントに応じるのでしょうか?おそらく、アプローチをしたお客様の商品・サービスに対して何らかのニーズや課題があり、それを満たせるあるいは解決できる可能性を感じた(その感じ方には大小や強弱が様々ありますが・・・)ので、アポイントに応じているはずです。
それならば、相手が持つニーズや課題を電話の中で聞き、それを解決することができることを伝えてアポイントに繋げれば、お客様に満足して頂けるアポイントの提供ができそうですが、電話営業という世界ではそれを実現することができません。なぜなら、見ず知らずの人からの顔も見えない声だけの電話を使ったアプローチに対して、自社や自らが持つ本当のニーズや課題を話してくれる人などほぼいないはずです。「なぜ私がその質問に答えなければいけないのですか?」と言われてしまうでしょう。
ではどうすればいいのでしょうか?それは、電話の相手はこのようなニーズや課題を持っているであろう、ということを想像し、そのニーズ・課題を持っている人が「おっ」と思ってくれる、電話を切らずに話を聞いてくれる、興味を示してくれる、「なるほど」と共感してくれる、アポイントに応じてくれるトークスクリプトを作成して、電話に出て頂ける相手の担当者にぶつけていくことが必要です。トークスクリプトというものは、ある意味ではこちらが言いたい・話したい・伝えたいことを一方的に話していく性質のものであり、相手のニーズ・課題を聞くのではなく、想像力を働かせて一方的に話して相手のニーズや課題に当てていくのです。
では、コール先の担当者のニーズ・課題はどのように想像して形にしていけばよいのでしょうか?これを別の言い方をすると「ペルソナを作る」と言ったりします。ここではそれを行うにあたっての必要事項や方法を記載していきます。
コール先業界知識(マクロ)
担当者のニーズ・課題を想像するための1つ目の手がかりは、マクロ的なコール先業界知識です。コール先の業種が現在どのような状態に置かれていて、どういう方向性を持っているのかということです。それがコール先担当者のニーズ・課題の想像に何の役に立つのか?と思うかもしれませんが、マクロ的なコール先業界知識から想像できる担当者のニーズ・課題は数多くのものがあります。
「マクロ的なコール先業界知識」と言うと難しく聞こえると思います。ここではもっと簡単な表現でマクロ的なコール先業界知識から担当者のニーズ・課題を想像できる方法を共有します。それは次の2つの質問を考えることにより実現できます。
- この業界は成長しているのか、横ばいなのか、衰退しているのか?
- この業界は競合他社やライバルはどれだけ存在しているのか?
営業代行サービスにおけるコール先担当者のニーズ・課題を想像するためには、この2つのことを考えるだけで、数多くのことが想像できます。
例えば、業界として成長していると考えられる企業の担当者はどのようなニーズや課題を持っているのでしょうか?業界として成長しているのですから、その成長機会を十分に自社に取り込まなければいけません。目標設定も挑戦的になりやすく、人材採用は増員が基本となりそのペースも速いでしょう。このような業界は営業部門に力を入れる一方で、管理部門には十分なコストがかけられず人員も不足しがちです。そうなると管理部門についてはアウトソーシングを活用するケースが多くなります。成長機会を捉えるためには何事においてもスピードが重要で、同じ成果を出すのであればより速く実現できるサービスを必要とします。成長意欲の高い企業も多いため担当者にも前向きな人が多く、新規業者からの情報収集も積極的であることが多くあります。経営者の成長意欲と現場との乖離が生まれやすく、業界自体が成長してしまっているので人材の実成長が追い付きません。これにより管理者の不足に課題を抱える企業が数多く存在します。
成長している業界の企業担当者の像が浮かび上がってきませんか?ここに紹介した内容以外にも、色々なニーズや課題が想像できてよいはずです。
では、横ばいの業界の企業担当者はどのようなニーズや課題を抱えているのでしょうか?業界として横ばいであるということは、その会社の売上が大幅に増えないことを意味しています。売上は大幅には増えないのですが、社員給与などの人件費は年が経つにつれて基本的には増えていきますので、何もしないでいると年々コストは増加することが一般的です。そうすると、様々なところでコストダウン要求が発生してきます。売上が増えないのですから、コストを下げなければ利益を確保できないのです。
コストダウンが実現できるサービスをトークスクリプトに乗せてこのような担当者にぶつけてみたくありませんか?現在の日本において多くの業界が横ばいで成長が見込めません。コストダウンを実現するサービスを聞きたいという担当者は増加すると考えられます。
競合他社やライバルが多い業界と少ない業界では、企業担当者はどのようなニーズが課題を持つのでしょうか?これは少し考えてみると分かるのですが、競合他社やライバルが多いほど競合他社やライバルをあまり意識せず、特定の会社の認識もありません。競合他社やライバルを意識するということは、その絶対数が少なくライバルの動きが認識できることを意味します。競合他社やライバルが少ない業界へのアプローチでは、競合他社がやっていないこと、ライバルに差をつけられるもの、そういった商品やサービスに対するニーズや課題を持つことが多くなります。
コール先の業界が成長しているのか、横ばいなのか、衰退しているのか、そしてそれぞれの企業が競合他社やライバルを認識しているのかいないのか、これを考えることはコール先担当者のニーズ・課題の想像に大きな助けや手がかりとなります。
コール先業界知識(ミクロ)
担当者のニーズ・課題を想像するための2つ目の手がかりは、ミクロ的なコール先業界知識です。言い換えると、コールをする相手の企業がどういう企業なのか?ということです。仮に業界としては横ばいや衰退していても、その中でも頑張って成長戦略を描いている企業は存在します。当社のお客様にはそういった企業をターゲットにした商品・サービスもあり、このような企業の担当者は業界全体の一般的な担当者とは異なったニーズ・課題を持っていることが多くあります(例えば、多くの企業が人材採用に対しては欠員補充が一般的なところ、この企業だけは増員ニーズを持っている等)。
ここで大切なことは、横ばいの業界の中で成長戦略を描いている企業担当者のニーズ・課題を想像することはよいのですが、その担当者がリストの中で出現する頻度がどれくらいなのかも合わせて考えなければなりません。市場にほとんど存在しないペルソナを描いてそれを探し続けることは、砂漠で水脈を求めて井戸を掘り続けるようなものです。このような場合はトークスクリプトの改善よりも、リスト作成の工夫によってその出現確率を高めることが具体的な解決策になることも多くあります。当社のコアリソースの1つである優先リスト(何かのサービスのアポイントに応じているということは、新しい情報を収集する意欲が高いと想像できる)はまさにこれにあたるものですし、顧客激増のリストは避けてポータルサイト(例えば運送業、美容院、工務店等)で顧客獲得ニーズを表明している先に絞ってコールをすることもそのノウハウです。もっと大きなところでは、URLを持つ企業(URLを持つということは他社から見られることを意識している。他社から見られる時はいつかと言えば、それは新しい顧客を獲得しようという時に他ならない)にコールを限定するということもその1つです。
また、ミクロ的なコール先知識としてもう1つ重要な観点は、コールをしようとしている企業が実際にどういう企業なのかをビジュアルや映像で想像することです。この担当者はどのような職場でどのような人に囲まれて仕事をしているのか、この会社はきれいなのかそれとも雑然としているのか、建物は新しいのか古いのか、会社は活気があるのかないのか、平均年齢は高いのか低いのかなどなど、こういったことも企業担当者のニーズ・課題の想像には役に立ちます。そのためには普段から色々な企業に興味を持ち、想像力を発揮することができるようにしておかなければなりません。
お客様の業界や商品・サービスに対する企業担当者の認識
担当者のニーズ・課題を想像するための3つ目の手がかりは、コールをする企業担当者がアプローチをするお客様側の業界や商品・サービスをどう認識しているのか?ということです。コール先の業界はどういう業界なのか、コールをする企業はどういう企業なのか、コールをする企業担当者が何を考えているのか、どのようなニーズや課題を持っているのか等々を考えることをしてきましたが、コール先の担当者もこちら側の業界や商品・サービスに対して何かしらの認識を持っているはずです。
コール先担当者のお客様の業界や商品・サービスに対しての認識は大きく分けて
- 認識していない
- 認識しているがよく知らない
- よく知っている
の3つに分けることができると言えます。
1つ目の営業代行サービスによって企業担当者が認識していないサービスをアプローチをする場合でも、企業担当者のニーズ・課題や企業担当者が認識していることに結び付けたトークスクリプトを作成する必要があります。電話を活用した営業はビジュアルを活用することができないので、現在の認識から大きく飛躍したり外れたりする商品・サービスの案内は、そのトークを聞いた企業担当者が自社のニーズ・課題を満たすことができるかどうかのイメージをすることができません。アプローチをする商品・サービスの希少性や新規性は必要なのですが、珍しすぎる商品、新しすぎるサービスは電話という手段は向かない場合もあります。この点は代行メンバーももちろんですが、特にコンサルタントがお客様とのヒアリングなどの際にしっかりと認識する必要があります。
2つ目の認識はしているがよく知らないという商品・サービスは、企業担当者がアポイントに応じる可能性が高くなります。メディアなどで大枠を聞いている情報に対してより詳しく知りたい、自社のニーズを満たすことや課題の解決に繋がるかを知りたいという要望を持っているためです。しかし、アポイントには応じてもらえますがその後の受注に繋げることは難しくなる傾向があり、アポイントが獲得できるからといって提供件数を必要以上に増やしてしまうと、受注に繋がらないアポイントが増加し、アポイント費用が負担になりコールストップならびに再開をしないという状態を招くことにもなります。コンサルタントはこの状況を十分に考慮し、お客様への提供件数の上限設定を行う必要があります。
3つ目の企業担当者がよく知っている商品・サービスをアプローチをする場合は、トークスクリプトの質、特に第3プレゼンの深み(第3プレゼンの深みということは、第1プレゼン・第2プレゼンの深みも連動)とメリット・効果の具体性が必要です。第3プレゼンの深みがないトークスクリプトでアプローチを行うと、「そのような商品・サービスはよくあるよね」「そういうことってみんな言うよね」「その内容なら今の業者で間に合っているよ」という反応が返ってくることは自然なことです。また、当社のお客様は「この商品は新しい」「このサービスはまだまだ知られていないし競争力がある」とよく言いますが、大切なのは相手の企業担当者がどう思っているかです。コンサルタントはお客様の言葉を直接聞くので影響を受けやすいのですが、その商品・サービスに対する客観性を失うことなく、コール先の担当者がこちら側をどう認識しているのかを正しく想像する必要があります。
また、企業担当者の商品・サービスに対する認識は、エリアによっても異なることが分かっています。一般的には東京の企業担当者は大阪や名古屋の企業担当者に比べて商品・サービスに対する認識や知識が豊富で、名古屋で通用するトークスクリプトが東京では通用しない、結果として同じ商品・サービスでアプローチをしていても、名古屋ではアポイントが獲得できるが東京ではアポイントが獲得できないという現象が発生します。
2.リスト作成能力
- リスト作成能力とは、当社の企業データベースと共に、具体的なリスト作成手段をどれだけ知り、活用できるかが重要
営業代行サービス提供に求められる能力の2つ目は「リスト作成能力」です。コール先の企業担当者のニーズ・課題を想像できても、具体的にそれに到達できるリストを作成できなければアプローチができませんし、逆にリストの作成技術を豊富に知っていることが企業担当者のニーズ・課題の想像の手助けになることがあります。
業種・エリアのリスト数概算把握能力
リスト作成において重要な能力の1つが、業種とエリアを指定されたらそのリスト数がどれくらいあるのかという概算数を把握できる能力です。当社の企業データベースを見れば良いように思えるかもしれませんが、当社の企業データベースは日本中のすべての企業を網羅しているものではありません。この業種とエリアであれば、これくらいの企業数があるはずだという認識があれば、仮に企業データベースに十分なリストが無かったとしても「このリスト数はおかしい」と分かり、顧客激増でリストを補充したり他の方法でリストを作るという判断をすることができます。
また、リスト数の概算が分かるということは、そのリストに対して電話営業を行うとどれくらいのアポイントが取れるかという正しい成果予測にも繋がります。コンサルタントはお客様と話す時に、指定された業種やエリアにどれくらいの企業数があるのか、そこからどれくらいのアポイントが獲得できるのかということを何の資料も見ずに答えなければならない時があります。
業種・エリアに対してのリスト数の概算把握能力は、意識して繰り返し練習し身につけていかなければなりません。繰り返し練習していけば、東海地方だけでなく、関東、関西、場合によっては日本の他のエリアに至るまで、「その業種・エリアであればリスト数はだいたいこれくらい」ということが把握できるようになります。
当社企業データべース
当社が基幹システムに保管している企業データベースです。当社の企業データベースは、正確に表現をすると当社だけが入手できる企業情報があるわけではなく、インターネットや紙媒体等の入手可能なデータを当社基準で格納し、そこに対して当社の営業代行サービスにおいてのコール情報が付加されたデータを保管しているもの、と言うことができます。前述のように、当社の企業データベースはコールの必要性に応じて準備をされてきたものになりますので、日本中のすべての企業を網羅しているわけではありません。当社の企業データベースの有効な活用方法や検索画面の使い方等は、システム活用のマニュアルなどに譲ります。
顧客激増(iタウンページ)
NTTが運営している「iタウンページ」をCSV化できるアプリケーションです。「顧客激増」という名前はネットパーフェクト株式会社の商品名であり、実際にはiタウンページをCSV化できるツールは他にも数多く存在します。業種・エリアの指定を行うと、該当するiタウンページ掲載企業をダウンロードできます。当社の企業データベースに十分に格納されていない業種やエリアのリストの取得を行う際に頻繁に活用します。
当社のおおよその調査では、iタウンページには企業や事業所全体の約7割が掲載されていると考えていて、その数字は僅かずつながら年々減少すると予測しています。理由としては、iタウンページの広告効果は現在の市場においてはほぼ認められておらず、無料掲載についても電話回線開通時にNTT側に一言拒否をすることによって非掲載が実現できるため、電話帳からの電話営業を受けることを最小限にしたいという考えから掲載を拒否する企業が増えると考えられます。
しかし、全企業の7割を網羅している企業リスト媒体が他にないことも確かであり、引き続き当社にとっては最も価値の高い企業リスト収集媒体になります。
名簿君3
「iタウンページ」をCSV化できるもう1つの方法として、「名簿君3」というツールがあります。こちらは、有限会社オフィスクリエイト様のリリースしているサービス名です。顧客激増よりも安価でかつ、FAX番号やURLも同時に取得できるため、顧客激増よりも使いやすいソフトと言えます。
ラクリス
「ラクリス」というのは、株式会社エヌティーワークスがリリースしているリスト作成ツールの商品名です。顧客激増と同様に、業種・エリアを指定すると企業リストのダウンロードが可能です。実際には株式会社エヌティーワークスや「ラクリス」が独自のリストを持っているわけではなく、iタウンページ・gooタウンページなどの電話帳情報に始まり、リクナビ・マイナビ・enジャパンなどの採用媒体掲載情報、楽天などのショッピングサイト情報、ホットペッパーなどの広告誌情報などをインターネットから収集し、5円/リストで販売をしているものです。顧客激増にない取得情報として、FAX番号・URL・社員数があり、顧客向けにFAXDMを行うリストを提供したり、URLや社員数が分かるリストが必要な際に活用をしたりします。費用がかかるためその費用対効果を都度検討しての活用が必要です。また、ラクリスのようなリスト検索・購入ツールは他にも数多く存在し、当社はより良いツールがあれば積極的に導入を検討していきます。
TDBリスト・TSRリスト
TDB(株式会社帝国データバンク)ならびにTSR(株式会社東京商工リサーチ)は、日本の企業信用情報保有における二大大手企業です。業種・エリア・人数規模などの基本情報だけでなく、その会社の信用情報(売上・利益・財務情報等)を保有し、各業界の中堅から大手以上ならびに特に建設業界などにおいてその情報は価値を発揮しています。
当社はTDB・TSRが保有しているような信用情報を保有しておらず、信用情報を把握することなく企業リストへの電話を行いアポイントを設定します。当社が信用情報を保有していない理由としては、電話営業という不確実性の高い手段において、信用情報の価値が発揮される機会が少ないことがあげられます(仮に100社の信用情報をコストをかけて保有したとしても、そのうちお客様にアポイント提供されるのは2~3社しかないため、それ以外の信用情報の取得が意味をなさない)。コンサルタントはお客様にこの件の問い合わせを受けた時は、当社は信用情報は保有していないことを明確に伝える必要があります。どうしてもというお客様との妥協点は、当社が提供したアポイント企業に対してお客様側で信用情報を照合してもらい、基準に満たなければアポイントを落とす(信用情報が基準を満たしていることを商談条件とする)ことは可能です。特に建設・建築関連のお客様とこのような条件を設定したことはありますが、実際にこの条件が発動されたことはほとんどありません。
求人媒体(有料媒体・無料媒体)
有料の求人媒体というのは、主にリクナビ・マイナビなどの新卒採用媒体、リクナビNEXT・マイナビ転職・enジャパンなどの中途採用媒体、タウンワークやバイトルなどのアルバイト採用媒体を指します。無料の求人媒体というのはハローワークのことを指していると言って間違いはないでしょう。例えば、新卒採用を行っている企業に対して新たな新卒採用に関するサービスのアプローチをしたい、新入社員向けの研修サービスをアプローチしたい、というような場合はこのリストに対する必要性は非常に分かりやすいですが、より広い観点で考えると、人材採用を行っている企業というのは、増員であれば成長戦略を描いている可能性があり、仮に欠員補充であったとしても、現在の事業規模を維持しようと考えていることが想像できます。人材採用に伴い必要となる商品・サービスも多く、人材業界だけではなく他の業界でも人材採用媒体掲載企業に積極的にアプローチをしているケースは数多く存在します。
無料媒体(ハローワーク)掲載企業も人材採用に積極的ではありますが、有料媒体掲載企業に比べるとそのベクトルは弱くなります。そのあたりのリストの性質も考慮して活用する必要があります。
ポータルサイト
インターネットが発達した現在では、各業界・各サービスにおいてその情報を収集・集約しているポータルサイトが存在します。ぐるなびや食べログなどの飲食店情報、ホットペッパーなどの美容系情報、SUUMOなどの不動産・建築関連情報、ゼクシィなどのブライダル情報などが有名どころですが、他にも探せば各業界(引っ越し、太陽光、運送、広告会社、税理士等々)のポータルサイトは間違いなく存在します。
企業や店舗がこのようなポータルサイトに掲載する目的は何でしょうか?それは多くの場合において「新しいお客様を獲得したい」ということです。さらに有料広告枠に掲載している企業はそのニーズが強くあります。業界としては横ばいや衰退していても、このような媒体に掲載している企業をリストアップしてコールをすることにより、前向きな企業や店舗の出現率を高めることができます。
会合・業界団体・組合リスト
企業は会合・業界団体・組合に所属していることが多くあります。加入が義務付けられているものもありますが、新卒採用媒体やポータルサイトと並び、会費を払って参加している企業には前向きで新たな出会いや情報を求めている企業も多くあります。ちなみにですが当社自身のターゲット選定は、青経塾や同友会などの会合リストならびに商工会議所などの業界団体リストはアプローチ優先順位1番のリストになります。
また、前述のiタウンページは年々掲載数が減少傾向にあるはずだ、ということを記載しました。例えば、広告代理店のリストをiタウンページで取得しても、該当企業の3割は漏れている可能性があります。そこで、該当するエリアの広告代理店の組合のリストを探し、企業名・TEL番号・住所などをリスト化すれば、当社企業データベースの補充になります。
こちらも現在の流れとして、組合員情報をインターネットに非掲載にする団体が増えています。価値があると考えられる会合・業界団体・組合リストは非掲載になる前にリスト化を急いだほうがいいものもあるかもしれません。
リスタ
求人サイト、ポータルサイト、会合・業界団体・組合リストをリスト化する有効な方法は、「リスタ」を活用することです。「リスタ」はエコノス株式会社がリリースしているサービス名です。上記のリストのリスト化のほか、Webサイトにあるキーワードを含む企業の企業情報やWebサイトを収集するという機能もあります。完璧な機能ではなく動作が不完全な場合もありますが、他の手段に比べると有効であることも数多くあります。
リスト化のアウトソーシング
リスト化をしたい媒体が見つかったら、特にその件数が多い場合は自社で作業をする必要はありません。コピーペースト作業の外注を行うことが可能であり、費用対効果が合えば積極的にアウトソーシングをします。
リスト化を行うエクセル技術
エクセルの技術に詳しければ、リスト化のアウトソーシングを行わなくても簡単に媒体のリスト化を行うことができる場合があります。当社では現在エクセル技術を特定個人が持ってしまっている状態があり、必要に応じてエクセル技術の向上や共有も行いたいと考えていますが、現時点ではリスト化をしたい媒体があれば相談をしてもらい、それに応じてリスト化の手段の選択を行っていきます。
URL・人数規模調査のアウトソーシング
特にiタウンページで取得したリストの場合が多いのですが、URLや人数規模の情報が付加されていないリストとなります。しかし、コールの業務効率やアポイント獲得の効率を上げるためには、URLや人数規模が分かっているリストにコールを行う方が良いことは明らかです。
URLや人数規模調査もアウトソーシングすることが可能です。費用対効果を判断しながら、必要であれば積極的にアウトソーシングをしていきます。
売上と人数規模の相関性把握
リスト作成能力の1つとして「売上と人数規模の相関性把握」があります。当社の企業データベースでは、人数規模は基本項目として持っていますが、売上情報は信用情報の1つともなるため保有をしていません。しかし、お客様からは「売上が5億円~10億円の会社」というような言われ方をすることも多くあります。
売上と人数規模の相関性把握とは文字通り、売上と人数規模の関係を把握するということで、売上が5億円~10億円の会社は人数規模が何人の会社なのか、ということが分かるようにするということです。もちろん1の位までジャスト正確な人数規模が算出できるわけではないですが、概算でも十分な人数規模の把握を行うことができます。
売上からおおよその人数規模を計算する方法は下記の計算式です。
- 売上(円) × 業界ごとの粗利益率(%) = 粗利益(円)
- 粗利益(円) ÷ 1,000万円 = 人数規模
- 業界ごとの粗利益率 建設・建築業(20%) 卸・小売業(15%) 製造業(40%) IT関連業(50%) コンサルティング・士業(100%) など
業界ごとの粗利益率はあくまでも目安です。そして、業界特定が不能な場合は売上に「30%」を掛ければおおよその数字を得ることは可能です。
先ほどの売上が5億円~10億円の会社で、その業界の粗利益率がもし分からなければ30%を掛けて、そして1,000万円で割ります。そうすると人数規模に換算すると、「15人~30人」という人数規模が計算できるはずです。もしそれがコンサルティング・士業であれば「50人~100人」となるはずです。このような人数規模が出てくると、そこに対してコールをするとどのような結果となるかという成果予測ができるようになっていきます。
3.トークスクリプト作成能力
- トークスクリプトの良し悪しにより、獲得効率は大きく変わる。営業支援の専門家を目指すにおいても、トークスクリプト作成能力は最も重要な能力の1つ
営業代行サービス提供に求められる能力の3つ目は「トークスクリプト作成能力」です。第1プレゼン、第2プレゼン、第3プレゼン、メリット・効果、第1質問、第2質問がトークスクリプトの要素となります。トークスクリプト作成の基本は他の研修に譲りますが、この営業代行サービス提供フレームワークの中では、トークスクリプトの有効性の判定方法を記載します。
たとえトークスクリプトをルール通り作成していても、そのトークスクリプトがコール先の担当者を満足させるものでなければアポイントを獲得することができません。トークスクリプトにおける最後の切り札である第3プレゼンとメリット・効果をコール先担当者のニーズ・課題にぶつけて、満足を得られるか、アポイントに応じてくれるかを想像し、これであればアポイントが獲得できると確信が持てれば、そのトークスクリプトを使用していきます。
実際のコールを行った際は、当初の想像通りアポイントが獲得できればよいのですが、想像通りの結果が得られないのであれば、営業代行サービス提供フレームワークの要素のどこかが良くないことになります。どこに原因があるのかを見極め、改善をする取り組みをしていく必要があります。
4.コール技術
- 正しいペルソナ、正しいリスト、正しいトークがあったとしても、コール技術がなければアポイントの獲得はできない。電話営業と言う手段を使いこなすためには、必要不可欠な能力の1つ
営業代行サービス提供に求められる能力の4つ目は「コール技術」です。いかに正しくコール先担当者のニーズ・課題を想像し、適格なトークスクリプトを作成していたとしても、トークスクリプトを正しく伝えるコール技術が弱ければアポイントの獲得をすることができません。コール技術の詳しい内容と習得の方法も他の研修に譲りますが、当社のコール技術の代表的なものは、
- 話し手の相槌の技術
- 聞き手の相槌の技術
- 肯定的な質問をする技術
- 質問に答えつつトークを戻す技術
- 日程設定技術
などがあります。これらの技術を駆使して、コール先担当者にトークスクリプトを正しく使い、アポイントの獲得を行います。
5.日程設定技術
- 最重要のコール技術の1つ。アポイントを承諾しているコール先担当者と、確実に日程を設定しましょう。
営業代行サービス提供に求められる能力の5つ目は「日程設定技術」です。前述のコール技術でもその1つにあげていますが、コール技術の中でも日程設定技術は特に重要です。○月○日○時に確実にフィックスし、お客様に報告をしなければなりません。日程設定技術の詳しい内容も他の研修に譲りますが、アポイントに応じてもよいというコール先担当者とスムーズに日程設定を行う技術を、常に磨いていかなければなりません。
6.ヒアリング能力
- アポイントの大義名分の確認と、お客様の商談ならびに受注に向けたアシストを行うための重要な能力の1つ
営業代行サービス提供に求められる能力の6つ目は「ヒアリング能力」です。ここで言うヒアリングとは、日程設定を完了した後にコール先担当者に行う2~3つのヒアリングのことを指します。当社の営業代行サービスはアポイントを獲得し提供をすることですので、日程設定が完了すればそこで電話を終わりにしてもよいという考え方もあるかもしれません。では、そもそもこの段階でヒアリングをする目的は何なのでしょうか?ヒアリングの目的は次の2つであると言うことができます。
アポイントに訪問する「大義名分」の確認
アポイントの「大義名分」というと大げさですが、よりわかりやすく言うとコール先担当者がアポイントに応じている理由、お客様が訪問をする理由を確認することです。アポイントに訪問することの最終的な目的は新規顧客として受注することです。当然そこまで到達するには多くのプロセスがあるのですが、しかし最終的にその結果が得られるという可能性が少しも感じられない商談に訪問することは、お客様の時間と労力が無駄になってしまいます。
ではコール先担当者がアポイントに応じた際に、訪問する大義名分がないアポイントが獲得されることがあるのでしょうか?それが発生する可能性があるため、ここでヒアリングをする必要性が出てくるのです。なぜ訪問する大義名分がないアポイントが獲得される可能性があるのでしょうか?
その要因はトークスクリプトとコール技術の性質です。前述にもあるように、トークスクリプトというものはコール先担当者のニーズ・課題を想像して、ある意味で一方的に話していく性質のものになります。トークスクリプトがコール先担当者のニーズ・課題を的確に捉えていればよいのですが、ニーズ・課題を捉えていなくても、一方的に話されることによって相手が思わずアポイントに応じてしまうことがあります。そしてコール技術もアポイントを獲得するための技術ですので、この技術によってアポイントに「応じさせられる」人が出てきてしまうことがあります。ヒアリングの際に、「先ほどは日程設定に応じて頂きましたが、私がお伝えしたことは本当に御社のニーズや課題を満たす可能性はありますか?」「アポイントには応じて頂きましたが、実際にはどうですか?」という内容を聞くことにより、「実は思わず応じてしまった」「来てもらってもいい話はできない」という答えが聞ける時があります。トークスクリプトは一方的に話されるため相手が逃げ場が無くなることがありますが、ヒアリングの場によって相手に逃げ場を与えるという言い方もできます。逃げ場を与えてもアポイントにそのまま応じるのであれば、トークスクリプトがニーズ・課題を捉えていた「大義名分があるアポイントである」と言うことができます。
お客様の商談のアシスト
当社のお客様は商談の経験が十分でなかったり、苦手意識を持っていたり、商談技術が不足してることが多くあります。ましてや電話営業から獲得したアポイントは、他の手段で獲得されたアポイントに比べて、成功させるための難易度が高いものになります。
当社はこのようなお客様に商談をご提供し、最終的には受注という結果を得ることが求められます。そのためにはお客様が初回商談を成功させることができるよう、当社ができることは行っていかなければなりません。
それがお客様の商談をアシストするためのヒアリングです。商談において必ず聞かなければいけないことは、商談相手が持つ課題、実施をする予定の有無、実施をするならばその時期、実施をする予算、なぜ既存業者に依頼するのではなく新規業者の話を聞くのか(新規参入余地)等があげられます。コンサルタントではなく代行メンバーも、新規商談がどのように進み、そこにはどのような商談技術があるのかを理解し、それを把握した上でこの日程設定後のヒアリングを行う必要があります(商談技術については「営業の教科書」の「営業とは」のカテゴリーに商談技術を記載した記事があります)。訪問前にできるだけ多く有効な情報をヒアリングし、お客様にあらかじめお伝えすることにより、その商談を有利に進めて頂くことができる可能性を高くすることができます。
7.コンサルタントヒアリング能力
- 営業コンサルタントは営業代行サービス提供フレームワークを頭に入れ、お客様からしか知りえない情報を的確にヒアリングしてくることが重要。
営業代行サービス提供に求められる能力の7つ目は「コンサルタントヒアリング能力」です。コンサルタントのヒアリングとは、営業代行サービスを受注し必要資料を作成するために行うヒアリングを指しています。コンサルタントはトークスクリプトの作成と、コール先担当者のニーズ・課題を想像するための材料を、お客様から1つでも多くヒアリングをする必要があります。お客様の業界、商品・サービス内容やその強み、そしてコール先のマクロ情報・ミクロ情報、担当者が持つニーズ・課題についても、お客様が持つ考え方や接している情報を1つでも多くヒアリングし、代行メンバーにも共有することにより質の高いアポイント提供を早期に確実に行う確率を高くすることができます。
代行メンバーはお客様から直接ヒアリングをすることができません。コンサルタントはヒアリングという貴重な情報収集の場において、この営業代行サービスのフレームワークを頭に入れてヒアリングを行う必要があります。